広がる可能性とつながり

すっかりゴールデンウィークも明けました。とはいえ、それを実感しているのは学生や、私のような一部のサラリーマンだけかもしれません。世間的には、まだ大型連休の余韻の中にあるようですね。

そんな中、今となっては少し前の出来事のように感じますが、GW前半に開催された戸田レガッタでは、白川が見事に優勝を果たしてくれました。

出艇数が少なかったという追い風はあったにせよ、社会人選手を相手に堂々としたレースを展開し、しっかり勝ち切った姿には、大きな成長を感じずにはいられません。

この勢いのまま、来週末に迫った神奈川県選考会、そして来月の全日本選手権へと、その流れをつなげていってほしいと思います。


さて、今回はその戸田レガッタを振り返ってみたいと思います。

予選が行われた初日。3月のお花見レガッタ以来のレースということもあり、部員たちにはどことなく緊張した様子が見られました。しかし、当日は絶好のコンディション。そういう意味では落ち着いてレースに臨むことができました。

白川については、予選から非常に安定した漕ぎを見せ、「まだ引き出しを残しているのでは」と感じさせる余裕すらありました。そして迎えた決勝では、その真価を存分に発揮してくれます。

スタートこそ出遅れ、500m時点では4番手。正直、このまま逃げ切られるのではないかという不安もよぎりました。しかし、そこから一気にエンジンがかかると、持ち前の爆発力で一気に追い上げ、ゴール前で見事に差し切り。まさに計ったような逆転劇でした。

一つひとつの動きがしっかりと艇の推進へとつながり、その結果が勝利として表れたレースだったと思います。

ゴール後の雄叫びも印象的で、名実ともにエースへと成長している姿を感じます。

もちろん、優勝という結果は素晴らしいものですが、レース後にはしっかりと課題も共有。ここで満足してもらっては困ります。さらなる成長を積み重ねれば、インカレ最終日も決して夢ではない――そう感じさせてくれるレースでした。


女子シングルに出場した菜名ちゃんは、決勝A進出、総合5位という結果でした。

順位だけを見ると上位陣との差はありましたが、内容面では確かな成長を感じています。特に印象的だったのはレース前のアップです。

久々に見た彼女の漕ぎは目を見張るものがあり、思わず隣にいた元さんに「めちゃくちゃ良くなってますよね!?」と声をかけたほどでした。ポジショニングも良く、艇はまるで矢のように進んでいました。

ただ、その漕ぎがレースになると出せなかったのが今回の課題です。アップではできていたことが、レースに入ると従来の漕ぎに戻ってしまい、その修正ができなかったとのこと。

もったいないですが、これは大きなヒントでもあります。翌日の決勝では、「失敗してもいいから、今日はあの漕ぎを出してみよう」と送り出しました。

結果として前半は維持できたものの、中盤以降の継続には課題が残りました。それでも「こうすれば確実に良くなる」という手応えは明確です。あとはそれを再現し続ける力。経験を積む中で、確実に形になっていくはずです。


男子ダブルスカルの髙橋・仲村は、土日とも午後レース。強風の影響もありましたが、それよりなにより、レースに向かう集中力には課題が残る内容でした。

それでも予選では何とか3着に入り、ギリギリで決勝Aへ進出。リベンジする機会を自ら勝ち取ることができました。

そしてこの日の課題を見つめ直すべく、元さんや上級生たちの働きかけもあり、翌日の決勝ではしっかりと気持ちをつなぎ直してレースに臨みます。

目標は予選で敗れた相手へのリベンジと入賞。その言葉通りのレースを見せてくれました。

スタートから並び、中盤でのアタック、終盤のスパート――どれも見応えがありました。「今まで見たことがない艇速」と元さんが評していたのも納得の内容です。

二人の動きがしっかりとかみ合い、力が艇に伝わる。その「つながり」が生み出したレースだったと思います。

結果は3位にわずかに届かず。それでも、真剣に勝負に挑んで敗れはしたものの、彼らにとっては大きな収穫となるレースでした。


最後に、飯尾主将です。

エルゴ基準という壁に苦しみ、この1か月は水上を離れて別メニューに取り組んできました。レース前の乗艇は前日のみ。その中でも元さんの指導を受け、漕ぎには確かな改善が見られました。

結果は決勝B、総合9位。久々の実戦を考えればよくやったとも言えますが、やはりポテンシャルを出し切れていない印象も残ります。

特に課題とされている「前から強く押す」というポイントが、中盤以降に維持できない点は依然として残っています。

これは単なる技術の問題ではなく、自身の力をしっかりと脚から艇へとつなげられていないことに起因しています。

エルゴでの数値、身体の使い方、そして水上での感覚。それらが一本につながったとき、彼の持つポテンシャルは初めて発揮されるはずです。

翌日からは髙橋とのダブルスカルが新編成されましたが、髙橋と乗ることで課題が浮き彫りにもなりました。それでも、今はこの可能性に賭けるしかありません。

飯尾を含めた2年生にとっても今はまさに正念場。インカレ出場に向けて、なんとかここを皆で乗り越えてほしいと願っています。


こうしてレース後には一部クルー編成を行い、すぐに次戦である理工系レガッタに向けて再始動しました。

戸田レガッタ2日目には保護者の皆様に加え、OBとなった淡路、そして大阪から亮太コーチも駆けつけてくれました。さらに今後の新入生のナックル艇練習に向けては、若手OBが協力を申し出てくれています。

部員一人ひとりの取り組みが、こうして人と人とをつなぎ、新たな力を生み出しているのだと感じます。

結果だけではなく、チーム全体が少しずつ同じ方向を向き、つながりながら成長している――それが今のボート部の姿です。

ぜひこの空気を、実際に現場で感じていただければと思います。そして今季最大の目標であるインカレ最終日、その舞台で、これまでのすべてが一つにつながる瞬間を、皆さんと共に迎えられることを願っています。

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