こんにちは。
コーチの結城です。初めてブログに登場します。
さて、早速ですが今回は、つい先日行われた「第103回全日本ローイング選手権大会」についてです。フルで帯同致しましたので報告的にレポートいたします。
本大会はいうまでもなく日本最高峰の大会です。
この大会に本学ボート部は、長らく出場していませんでした。
久しぶりに出たのは2年前。今回も出場した淡路が2年のときです。ダブルスカルで出場しました。
昨年は、エントリーこそしたものの残念ながら棄権をしたので、今年は2年ぶりの出場となります。
出場したのは、4年淡路と2年白川。今回は、青学としても長らく遠ざかっていたスイープ種目での出場となりました。しかも、軽量級ペアです。
もともと、ペアにチャレンジしようと乗り始めたのは昨年の全日本新人戦後でした。割と早めの決断をして、そこからひたすらスイープの練習を続けてきた2人。しかし、そんな簡単ではなく、なかなか思うように漕げず、苦労していました。
そんな中、軽量級にチャレンジしたいと言い始めたのは、3月ごろ。
しかし、その理由の一つが、オープンのエルゴ基準タイムをクリアすることよりも体重を減らす方が近道ではないか?ということでした。
これに、監督をはじめ我々スタッフ陣は疑問を感じました。その時点で、2人の体重は軽量級の基準値である70kgを大幅にオーバー。そこからかなりの減量をしてまで全日本に出場して、果たして最終目標のインカレにプラスになるのか?ただ単に悪影響を及ぼすだけではないのか?なによりも最悪のパターンは減量失敗で棄権となることでした。
しかし、結論からいえば彼らは見事に減量を成功させ、白川に関しては全日本直前のエルゴ2000m TTで自己ベストを更新したのです。
定期的に計測しているインボディでも、筋肉量の減少は最小限に抑えながら減量ができており、体のコンディションとしてはとても良い状態で大会に臨むことができました。
そして、それはレースの内容にも表れました。
本大会、正直いって最初から上位は狙っていませんでした。こんなことをいうと、チャンピオンシップでトップを狙って鎬を削って戦っている皆さんに失礼なのかもしれませんが、我々の目標はあくまでも9月のインカレ。
インカレで最高の結果を出すために、どう進めていくか?を第一に考え、この大会は彼らにとってインカレへ向けて手応えを掴むための大会と位置付けていました。
そもそもペアという慣れない種目で、初めての2000mレースがコンディション的にも大変難しい海の森とあって、予選に関しては、周りに惑わされることなく、まずしっかり漕ぎ切ることを目標に送り出しました。
結果は最下位でしたが、彼らは落ち着いて自分たちの表現したいことをできたようで、レースがとても楽しかったといって戻ってきました。
その翌日、敗者復活戦。
予選でしっかりイメージどおり漕ぎ切ることができたおかげで、少し攻めた展開を試すレースをすることができました。超順風だった予選とは打って変わって猛烈な逆風のなか、彼らはしっかりと攻めるとこは攻めるメリハリのあるレースをしてくれました。
これまた彼らは、レースを楽しんで戻ってきてくれました。
そして迎えた最終日。B決勝。
現時点で最高のパフォーマンスをだして、満足のいくレースをしてこい!と送り出しました。結果、5艇中4着。総合10位にて大会を終了しました。
この結果だけ見ると、残念だったねと思われるかもしれません。しかし、レースの内容はとても興奮する展開。
周りに惑わされることなく、自分たちのレースを展開し、最後は先行していたチームを2秒差まで追い詰めました。予選では17秒差あったチームに対して、見事な追い上げでした。
戻ってきた彼らは、とても明るくやり切った表情をしていました。
私も思わず握手をしてしまいました笑
よくやった!心からの想いでした。
レースを重ねるごとに進化を感じる内容に、まだまだやれる!と可能性を感じました。もちろん本人たちも手応えを感じていました。
白川は差し切れなかったーと悔やんでいましたが、その発言こそが、今大会の成果の証です。
本大会で印象的だったのは、2人ともがレースをして楽しかった。と口々に言ってたことです。レースを重ねるたびに、次のレースへのワクワクを感じられる会話で盛り上がりました。
このことが、私にとってもいちばんの収穫であり、嬉しかったことです。
今回、日本一になった選手のインタビューに「楽しむ」という言葉がありました。また数年前、トヨタ紡織がエイトで初優勝したときのインタビューで「楽しんで、スピード出して、その先に勝ちがある」という言葉があり、とても印象的でいまだに鮮明に私の脳裏に焼きついています。
ボート競技って本当にしんどいスポーツだと思います。もちろん、目標を達成するためには厳しいトレーニングを乗り越える。辛い練習に耐える。その先に栄光があると思います。そもそも、楽しむってのはそんな厳しい練習を乗り越えた先にあるものなのかもしれません。しかしながら、どんな中でも楽しむってことは絶対に忘れてはいけないとても大事なファクターだと思っています。
誰かにやらされる。結果を出さないといけない。強迫観念からトレーニングをする。いわゆる軍隊のように地道に黙々とトレーニングに励めば結果が出るスポーツでもあるので、チームとしてはそういったやり方でも成果はでるのかもしれません。むしろ、近道なのかもしれません。
しかし、そういった環境で育った選手は、いずれボートが嫌になったり、離れて行ったりすることが多いと感じています。
私は、ボート競技に出会い、現役を退いた後もずっとボート競技に関わっていきたい。そのように思える選手を増やしていきたいと常々思っています。
もちろん、スポーツですから勝つことが大事ですし、勝つことを目指してトレーニングします。そして、勝つことにより、得る喜びや充実感など計り知れないものがあると思いますので、そこは我が部も突き詰めていきたいところです。
しかし、勝つことに執着しすぎて、勝つためなら何をしても良い。といった考えに陥ることはとても危険なことです。その結末が、昨今、大学スポーツ界で世間を騒がせるような問題を起こしてしまっているのだと思います。
だからこそ勝利を目指すプロセスにおいて、どうローイングと向き合っていくか?これを重視すべきです。そんななか、今回の大会で出場した2人は身をもってローイングを楽しむ。ということを実感してくれました。
さぁ、インカレまで後三ヶ月。
特に4年淡路にとっては、引退までの三ヶ月となります。
本大会で確かな手応えをときっかけを掴んだペアの2人、そして、今回サポートにまわって支えてくれた3年飯尾。この3人を中心に我が部はこれからさらに成長するはずです!
最高に楽しいレースをして、最高な打ち上げをするために!何よりも、ボートをしていてよかった!と心から思えるように。
選手TAスタッフ、チーム一丸となって、つき進んでいきたいと思います!!
青学ボート部の未来は明るい!!そう確信した全日本ローイング選手権でした。
最後に一つ余談です。
実は全日本を終えた数日後、白川は琵琶湖にいました。
なんと、休みを利用して京都方面に行ったついでに、春に一緒に城崎で合宿した京都大医学部ボート部と一緒に早朝からボートを漕いでいたのです。
いや、せっかくの休みの旅行中にボートに乗るなんて、もう‥‥笑
しかし、そんな白川に負けじと、夜中に車を走らせ、早朝5時に琵琶湖にいたのは何を隠そう私です笑
そんなボートバカを、また1人作り上げてしまったことにほくそ笑んでしまう私なのでした‥‥。
以上、初めてのブログでした!!
実は、コーチに就任して1年経った頃に、1年のまとめを投稿してくれと監督から依頼があったのですが、普段の監督のブログの文章が素晴らしすぎて、なかなかうまくブログをまとめることができず、ずるずると投稿せずでした。
今回、監督から2度目のプレッシャーを受け、さすがに私もこれをスルーするわけにはいかん!!となんとか文章をまとめ、今回に至ります笑
今後は、監督とはまた違った目線とノリで、また機会あれば投稿したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします^_^
コメント