いざ勝負元年の幕開け

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

この年末年始も私個人としてはゆっくり過ごすことができています。練習もなく、仕事もなく、こうした連休を過ごせるのは1年間で唯一この時期だけですが、貴重な時間だと有り難みを噛み締めてもいます。

それだけ普段は常に何かに追われ、日々動き回っているんでしょうけど、そんな人生こそ感謝なんだと年々思うようにもなりました。

そんな2024年を迎えてまもなく、元日には能登半島地震が、そして翌日となる2日には羽田空港での衝突事故など、年明けから日本国内では大変な出来事に見舞われています。(被災された方々には心よりお悔やみ申し上げます)

きっと皆さんも心中穏やかではないお正月をお過ごしのことかと思いますが、ただ、そんな中でもスポーツはいつだって我々に勇気と感動を与えてくれます。

年末年始は特に高校、大学における名だたる競技の日本一を決める頂上決戦が行われ、その代表する一つに箱根駅伝があります。

今年は苦戦を強いられると噂されていましたが、終わってみると我らが母校は2年ぶりの優勝を果たし、戦前の評価を覆す快走を見せてくれました。

「信は力なり」

まさにこの言葉の通り、学生らの力を信じた結果が、この記録更新づくめの完全優勝という栄誉に結びついたのでしょう。関係者の皆さま、本当におめでとうございます。

実は年末年始にかけてスクールウォーズというドラマを初めて一から最後まで見ました。ゆっくり過ごす中でも何か得られないか、そんな小さな期待のもと、見始めたわけですが、見事に感化されたのは言うまでもありません。

熱血教師が幾多の苦難を生徒らと乗り越え、全国優勝させるまでの軌跡は確かに見る者の胸を熱くします。

以前からタイトルや噂では聞いていたものの、実際にこうして見てみると、競技指導においても学ぶことが多いドラマであったと感じます。また、舞台は昭和の時代で、自身が生まれた当時のことであったことも妙に見ていて懐かしさを感じるものでした。

そもそも30代を過ぎたあたりから私は一切テレビを見なくなりました。ですのでテレビドラマなんかも無縁ですが、何かこうして時間を費やして得られるものがあると思えるものだけはハマってしまいます。(それがわかるからこそ見ないとも言えるのかもしれません)

話はスクールウォーズに戻しますが、この物語ではこの「信は力なり」が至る所で囁かれます。

他にも名言が多く生まれたドラマのようですが、やはり今の私の指導者としての立場でもっとも影響を受ける言葉はこれなのでしょう。

ラグビーもボートも共通していることは試合中(レース中)に監督は何一つしてやることができません。だからこそ普段の練習やコミュニケーションを大切に満を持してレースに送り出すことが必要という点でも共通点を感じました。

もっとも、ボートは伴走自転車での声かけができたり、ラグビーではハーフタイム中の時間もありますが、基本的に選手を信じて勝利を待つ、それに近いものを感じました。

今回の箱根駅伝でも原監督はやはり選手を信じて、勝負所の適材適所に選手を起用した采配は実に見事でした。これも普段から、その選手の能力を高く評価し、信頼関係があるからこその賜物だったと言えるでしょう。

さて、当部も今年は成し遂げるべきことが多くあります。

個々、そしてチームの成長はもとより、昨年以上に結果にこだわっていく1年にしようという決意があります。

春には新入部員の勧誘行事が控えています。これまで少数体制を敷いてきたのもありますが、今年の入部者数目標は10名だと以前より口にしています。

元々私自身の手が足りないことや、また環境面のキャパなんかも考慮して各学年2、3名を目標にしてきたのがこれまでです。

それでもやはり今まで以上に芽生え始めた『勝利への欲』、そして強固な組織作りを考えるならばここで母数を増やすことを前向きに検討していこうと改めて思うのです。

特に、そう強く思うようになったのは、部員らの目標意識の高さ、それに取り組む姿勢が今ならどれだけの部員がいても伝播していくという自負もあります。

また、昨年のインカレ以降、多くの方にこのブログを読んでもらう機会が増えました。

そしてそのことを知ると同時に、高校生からの問い合わせや、当部に興味を示してくれる人が非常に増えたことを実感しています。

なぜこれほどまでに反響があるのか、よくよく考えてみると、それはこうした発信力もさることながら、リアルに『今』を伝えているからなんだと思っています。

私たちはSNS時代によくありがちなリアル以上によく見せようという姿勢は一切ありません。

ありのまま、この現状を知ってもらい、この部で自らを磨きたい、高めたい、そんな人を待ち望んでいます。

だからこそ、もし仮に今の当部に興味を持ってくれ、この部で活動したいという方がこの投稿を読んでくれているならば一つの投げかけをしたいと思っています。

「なぜ青山学院大学ボート部でボートをしたいのですか」と。

こんなシンプルな問いながら、この答えを明確に持っている学生ならきっと当部で活躍してくれると信じて期待することができます。

何事においてもそうです。物事を取り組むにはやはり理由が明確にあり、もし悩み、迷い苦しんだときにその理由が鮮明な人ほど、突き詰めていけるものです。

今の部員らの入部した動機も実は新しい競技をはじめる、運動をしたい、シンプルなものでした。

それでも続けていることには必ず自分なりの理由をもっており、それが根幹にあるからこそ、厳しい練習に耐え、活動を続けてくれているのでしょう。

だから私たちは今年、今まで以上に自らの思い、そして行動をリアルに発信していこうと思います。

当面の目標は以前にもこのブログでお伝えした私がこの部で目指しているもの、そう、11月に高校生ボート部員らに向けて説明した内容を広く発信していくことです。

お気づきの方もおられるかもしれませんが、これまであまり自身の名前や顔を出すことを避けてきました。

ですが、これからはしっかりと自分の口で、声で、この部の魅力も発信していこうという一つの決意を固めた新年でもあるのです。

昨年、艇を新たに購入するなど環境面の整備も進みました。また、競技の面でも全日本選手権に出漕も果たし、インカレでは順位決定戦に進出、全日本新人ではメダルを獲得する選手も出ました。

部は私の想像以上に成長してくれていますので、この数年が本当の意味での勝負になる予感すらしているのです。

監督就任から多くの年月を要しました。それでもここからが本当の意味での勝負なのだと、改めてその責任と覚悟を背負い、挑んでいかなければいけない年なのです。

1年後、この決意がどうたったのか、改めて振り返った時に、自分を恥じることのないよう、己を信じ、そして学生らを信じ、共に戦っていこうと思います。

昨年の最後の投稿になった時から随分と時間が空いてしまいました。

納会開催を宣言した途端に部内でのインフルエンザ感染が発覚し、最後の最後に思うような1年の締め括りができませんでした。

中途半端に2023年を終えたものの、それはある意味、こうした思いや仕切り直しに必要な休息の期間だったと思うようにしました。

だからこそ、年が明け、満を持して、これから1年、熱き戦いを挑んでまいります。

2024年は皆さまにとっても素晴らしき1年でありますように。

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