より先へ、より進歩していくために

今年も残すところ10日あまり。

ここ数年は忘年会もなく、静かな12月というのが定着していたような気もしますが、今年は人も街も至るところで賑わいを見せています。

私自身、仕事柄、あまりそういった場に出ることは控えているものの、やはり経由する駅や電車から見る街並みを見てもそれを感じます。

過去3年、この12月という時期になると決まってコロナの感染拡大が起きていたことを考えれば、今現在の感染者数は本当に微々たるものです。

とは言え、もはや関係者でなければこの感染者数など、誰も気にしてもおらず、報道すらされなくなったのが現実ですから不思議なものですね。

そういう意味でも今年は例年と比べ、変化のあった1年だったと言えるでしょう。

ボート部においても今年は納会を数年ぶりに開催させていただくこととなりました。

部を再開して以降、暮れの練習終わりに一部のOBに声をかけて戸田の地で行うことをしてきましたが、今年は久々に青学会館を利用します。

そもそもいつのまにやら我々が知る青学会館アイビーホールは閉館されており、現在では校友会エリアだけで運営されていることを知ったのも納会を企画した際に知ったことなのですが。

それでもOB会のイベントや部の式典など、これまで所縁のあった渋谷の大学近辺で行うことはやはりそれだけでも意味を持つような気もしているのです。

 

さて、部の練習についてもいよいよこちらも大詰め。

今週には最後のエルゴ測定も控えており、部員らの練習にもそんな気持ちが表れているかのように見て取れた先週末でした。

日曜日の朝はここ最近のメニューで定番化した1500mの4セットメニュー。

曜日によってメニューを固定化するのは春や夏の集中練習でも行ってきている手法ですが、一週間というサイクルは意外と早いものです。

ですから、恐らく部員らもこのメニューをやらなければという意識はあるものの、恐怖、不安などのネガティブ思考が先行し、エルゴスコアにも顕著に表れるのがお決まりになってきていました。

この日も実施前にどのように4セットを取り組むかを個々にスコア目標として確認しましたが、案の定、早々にスコアは停滞し、セット数を増すごとに落ちていく、そんな耐えるだけの練習になってもいたのです。

もちろんボート競技はいかに耐えるか、これを求められることは間違いありません。それでも耐えるためのメンタルは必ず存在し、メンタルそのものがプレーにも影響をします。

今の練習サイクルではハナから目標達成できないことが分かっていながらも、自分らにそれを課しているだけの状況であるということを私はこの日、指摘をしたのです。

目標レベルはやはり日々積み上げていき、小さくとも少しずつでも達成していくことにこそ意味を持ちます。これはボートだけでなく、日常のささいなことでも同じです。

はじめから大きな目標を立てれば挫折する、もしくは絵に描いた餅になりかねない、むしろ人間なんてそんな生き物だとすら思っています。

だからこそ、小さな目標を少しの頑張りで達成すること、それを自身で評価し、また次の目標につなげる、そういったサイクルでこそモチベーションは保たれます(保ちやすいです)。

行う前から気持ちが入らないネガティブ思考では、そもそも練習の質すら確保できないのですから、そこはメンタルが重要であり、それをポジティブに維持するための目標というのが本来あるべきではないでしょうか。

結局は当初予定していた1500mは2セット終えた時点で、私の独断で3セット目を1000m、4セット目を500mメニューで行いました。

当然距離が縮めば気持ちも軽い、意識も高く取り組めます。

そして、そこはあえて少しの頑張りで達成可能な目標ラップを申告させ、取り組ませることで小さな頑張りを生む方を期待してみたのです。

結果、その方が耐えたという達成感より、目標を達成したという達成感で終わります。その方が終わってみての中身、本質、そして次につながるという意味でも吉に出るというものなのです。

とは言え、こうしたことも考え方ひとつなので、あまり今のようにメニューに固執し過ぎず、自らがその時々で考えて、必要なメニューを決めていくことの大切さも伝えたつもりです。

もちろんそこには楽を選ぶという人間本来の姿も見え隠れしますので、他者評価を入れるため必ず全員で意見交換することも条件に、という前提で。

こうした意味を理解してくれていれば年明けからの練習はきっと更に充実したものになることでしょう。

最近は目標管理や目標設定など、考えさせられることが多くあります。それでも社会に出れば否が応にもこうした取り組みが必要になりますから、肌で感じてくれるのは良い経験になるのではないでしょうかね。

 

また、この日の午後はこちらもいつもと同じく乗艇練習。

1点だけ変えたことは、前日のクルーで練習すること、そしてそのためにも前日の動画を見て、午後の練習で意識改善することを明確にして行うことを告げました。

先月よりはじめた部員らのブログ内容で吉澤の投稿を読みながらTA加入による動画撮影について触れてくれていました。

この日は先週とは変わってコースにいても冷たい風が吹きつける寒い日でしたが、そんなときにも有難いことにビデオを撮影してくれています。

ただ、恐らくタイミングの問題もあるのですが、こうした動画を振り返って見るのが練習前でなければ次回の練習に生かそうとならない、そこに欠点があると私は見ています。

振り返りだけで見る動画は恐らく、時間のある時に、なんとなく、自分の漕ぎどうかな?というチェックだけになりがちです。

それでも前日の動画を練習前に確認して、意識して改善した練習を撮影されれば練習後にはそれを自身でまた振り返ることができます。

せっかくのTAの努力を無駄にしないためにも、そんな当たり前のサイクルに変えていき、より良くしていくことも必要なんだと思います。

ここは当部が通いがゆえに、中々、皆で集まって動画を見たりする機会がないことも影響していますが、あえての機会を作ることもこれからは考えていかなければいけないのでしょう。

ただ、練習においては先日のコアミーティング以降、クルーを大方決めていることもあり、質の高い練習になってきている印象を持ちました。

特に鈴木、淡路のクルーについては意識そのものが変わり、艇をより進めることに重きを置きながら練習に取り組んでくれています。

現時点でこの完成度、そしてこれが1年をかけて小さな目標を積み重ねて、達成していくことができたのであれば今年以上の期待感を持てることは容易に想像がつきます。

もちろん、それにはこれまでの反省であった今までの当たり前のサイクルや、常識、考え方そのものなんかを軌道修正していくことも必要です。

それもあって、この週末は私なりに苦言を呈したわけですが、それは同時に皆への期待の表れでもあるのです。

「変わってほしい」、「変わりたい」という希望観測的なものでなく、私自身も『変えるんだ』、そして部員らも『変わるんだ』という強い信念を持って来季は取り組んでいかなければいけないのでしょう。

より先へ、より進歩していくために。

 

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