いよいよ今年最後のレースとなるであろう「戸田スプリント」が今週末に迫ってきました。
現役部員たちは東日本新人戦を終え、全員がスカル種目に転向。今大会が初めてのスカル挑戦となります。距離は500m。埼玉県主催の小規模な大会とはいえ、この時期明確な目標があるのは嬉しいことです。
かつては「クリスマスレガッタ」の愛称で親しまれていたこの大会も、いつの間にか「戸田スプリント」へと名称が変更されましたが、飯尾をはじめ部員たちは今でも「クリスマスレガッタ」と呼んでいます。
最近のボート部では、誤った言葉遣いをそのまま使うことを禁じています。聞いたままを深く考えずに使ってしまう傾向があるようで、我々世代との感覚の違いにジェネレーションギャップを感じることも。
象徴的なのが「スト」という略語。名付け親は飯尾で、ストロークのことをそう呼んでいました。結城さんから「そんな略し方はない」と指摘されたにもかかわらず、1年生の多くが「ストが…」と口にするほどの影響力。(飯尾、半端ないって・・・)
水上では「ストサイ」と略すことはありますが、「スト」はあまり聞きませんよね。
実は公認コーチ3の研修でも、「指導者が誤った言葉を使ってはならない」と教えられました。たとえば、日本では「トップコックス」と言われがちですが、国際的には「バウコックス」が正しいそうです。また、リギングでピンの距離を測る際に「スパン」と言うのもNGで、正しくは「リガースプレッド」。
言葉は文化であり、正しい理解のもとで伝えていく責任があると感じています。
話が逸れましたが、先週末は戸田スプリントに向けた最後の週末練習でした。
土曜日は天候に恵まれ、比較的暖かい中で練習できましたが、閉鎖の影響で開始が遅れ、日没後は一気に冷え込みました。伴走している私も体の芯から冷えるほどで、ボート競技にとって厳しい季節の到来を実感しました。
翌日の日曜日は、さらに冷たい雨が追い打ちをかけるように降り、早朝5時からの練習は部員たちのモチベーションにも大きく影響しました。それでも多くの大学がこの環境下で漕ぎ続けているのですから、ボートは本当に「我慢のスポーツ」だと改めて感じます。
そんな中でも、元さんは土日でも休むことなく顔を出し、部員たちに細やかな技術指導とフィードバックを行ってくれています。私はそれを静かに見守りながら、いつも「なるほど」と感心させられています。
部員たちもこの指導を受けて、それぞれ課題を持って練習に取り組んでおり、練習後のミーティングでも自ら課題を口にしています。
ところで皆さんは弱点や課題を克服する方法、ご存じですか?
映画やドラマを観て、漠然と「良かった」と感じる人は多いですが、物語の重要なポイントは人それぞれ。そこに目を向けることが大切です。試験や練習も同じで、点数やタイムだけで判断するのではなく、その中身を振り返り、どう改善すべきかを深掘りすることが重要です。
そうすることで自分の課題を見つけ、それに向き合うことが技術向上につながります。元さんの指導法は、課題を自覚させ、一つずつクリアしながら次のステップへ導くという点で、非常に理にかなっていると感じています。
ですから私はあまり口を出さず、技術向上に向けて課題がクリアできているかを確認し、必要なアドバイスをするようにしています。
もちろん、前述したような厳しい環境下ではメンタル面への影響も大きく、早く終わらせたい気持ちになることもあるでしょう。でも、そうした環境にどう向き合うかも、他と差をつけるために必要な力です。
だからこそ〝雨にも負けず、風にも負けず〟ボート界ではこうした当たり前の中で、皆が毎日漕ぎ続けているのでしょうね。(ボート人あっぱれ!)
とは言え、私自身の拘りは、青学らしく「それが当たり前」ではなく、皆が伸び伸びと“愉しく成長できる”環境づくりを目指していますので、戸田スプリント後には今後の練習について話し合いの場を設けたいと思っています。
さて、最後にその戸田スプリントについてのお知らせです。
今回、ボート部としてエントリーしているクルーは以下の通りです:
- 女子1×:重信
- 男子1×:花岡
- 男子2×:Aクルー(仲村・飯尾)
- 男子2×:Bクルー(徳谷・髙橋)
そして、事前にボート部コミュニティでもお知らせしましたが、エイト種目には『青学オールスターズ』としてエントリーしました!
私の“スト”を筆頭にw、歴代の若手OBに声をかけて結成したエイト。前主将の淡路や、近年卒業したメンバーも参加し、鏑木はなんと九州から参戦予定です(笑)。
足りないポジションには、オールスターズに最も縁のある助っ人にお願いし、なんとか8人揃えることができました。呼びかけに応えてくれた皆さんには心から感謝です。
今回のエイト結成には2つの目的があります。
1つ目は、競技歴10年の私が実はエイトを漕いだことがないという“夢”の実現。スイープ未経験のOBもいるので、まずは楽しく、安全に。
2つ目は、ボート部へのチャリティ企画。当日着用するアンダーウェアを寄贈予定です。ロンTは準備しましたが、どうしてもネタに走りたくなる自分を抑えきれず、望まれない衣装の寄贈になるかもしれませんが…そこはご容赦ください(笑)。
現役だけでなく若手OBを招集することで、当日はより多くの関係者に応援に来てもらい、今の活動を知ってもらう機会にしたいと思っています。小さなお子さんを連れて来るという声もあり、彼らに会えるのも楽しみです。
今からでもまだ間に合います!
11月16日(日)はぜひ戸田ボートコースへ。皆さまのご来場を心よりお待ちしております!


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