時間があるからというのもありますが、ここ最近では珍しく連日の投稿です。
前回の投稿で、今後の部の進むべき道を模索していることは述べました。
でも一つだけ、言い忘れていることがあります。
今の部員たちに競技志向という現実を突きつけているような発言に聞こえたかもしれませんが、現代の多様化した時代において、必ずしもこれが正解ではないのかもしれないということです。
ボート部は今年で創部60年を迎えます。
60年という年月をかけたのに、OB・OGの人数は200名にも至りません。
これはボート界全体で見てもかなり稀なケースでしょうし、そこにはこれまでの歴史的背景や環境的要因が少なからずあるのでしょう。
ですから、今の部員たちが、部員が辞めていくことや入部してくれないことを嘆き、それを一番の部の目的に据えて考えていくことも自然なことです。
なぜなら、私たちだって現役時代に同じ悩みを抱えていたからです。
私が知る限り、ボート部が直近でもっとも大所帯で活気づいていたのは、小賀坂会長が現役時代、最上級生であった頃ではないかと思います。
この時代背景には、今では死語とも言えるトレンディードラマ全盛期で、『愛という名のもとに』で大学ボート部というものにスポットが当たっていたという説もあります。
その後、ボート部を題材にしたドラマやテレビ放映をきっかけにボートブームが来たかと言えば……私自身はあまりその記憶がありません。
それでも、大学から競技を始めた人でもハマってしまう魅力があるスポーツであるということは、きっと皆さんもご存じでしょう。
ではなぜ、大学から始められるこの競技で、本学においてはこれほどまでに認知度が低く、部員が定着しないのか。
この点を考えていく必要がありますよね。
私は現在の勤務地が移転して以降、始発電車で到着した際にラクロスのスティックを持って早朝から多摩川のグラウンドに向かう多くの大学生を連日のように目にしてきました。
その光景はもはや日常であり、こんなに朝早くから感心だなと思いつつも、なぜボートにはこれがなく、できないのだろうかという疑問を持ち合わせていました。
本学においてもラクロス部、アメリカンフットボール部は、大学から始められる体育会の部活動として不動の人気を誇ります。
大学から始められるという意味ではボート部もそこに肩を並べていいはずなのですが、歴史こそ積み重ねてきたものの、この立ち位置は大学内でも変わることはなく、むしろ開く一方であるという現実を誰もが実感しています。
ですから、今回はこれらの部と我々ボート部がどう違うかについての考察を述べていきたいと思います。
まず新歓活動においても、その差は歴然としています。
体験会に多くの新入生が足を運ぶと言われているラクロス、アメフトですが、一方でボート部は毎年のように部員集めに苦戦し、試乗会に来てくれる人数も限られています。
ではなぜここまで差がつくのか。以下はAIとの相談を交えた考察です。
■ ラクロスとアメフトは「新歓で勝っている」のではなく、“新歓前に勝っている”
ラクロス部とアメフト部の人気の理由を考えるとき、私たちはつい「新歓がうまいから」「広報が強いから」と思いがちです。
しかし本質はそこではなく、彼らは 新歓で勝っているのではなく、新歓前に勝っている のではないかということです。
高校生で入学前からスポーツを始めたい人は、SNSで大学スポーツを検索します。
InstagramのリールやTikTokで、ラクロス部やアメフト部の動画が自然と流れ、楽しそうな雰囲気、大人数での活動、かっこいいユニフォーム、迫力あるプレー。
こうしたビジュアルに惹きつけられているのではないかという説です。
つまり、新入生は入学時点で “興味を持った状態で新歓に来る” 可能性があるということです。
興味を持っているから体験会に行く。
体験会に行くから仲間ができる。
仲間ができるから入部する。
この「興味 → 体験 → 仲間 → 入部」の流れが、すでに出来上がっていることを推察したのです。
■ ラクロスとアメフトの競技性は「大学生の心理」に合っている
では、なぜ彼らは興味を持たれるのかという疑問を持ちます。
そこは競技そのものの構造を見れば理由は明確だとAIは語ります。
● ラクロス
・大学から始めるのが当たり前
・ほぼ全員が初心者
・ポジションが多く、居場所が必ずある
・スピード感があり、見栄えが良い
・大人数でコミュニティが強い
・SNS映えする
● アメフト
・ポジションが極めて多様
・体格・性格・運動歴に応じて必ず適性がある
・大人数で仲間ができやすい
・ヘルメット・ショルダーの“憧れ”
・試合の迫力が圧倒的
・SNS映えする
どちらも「大学から始めるスポーツ」としてのブランド力が強いのは言うまでもありません。
そして、どちらも「自分の居場所が見つかる」構造を持っており、新入生が求めているのはまさにこの二つではないかと教えてくれるのです。
■ ボート部はなぜ苦戦するのか(構造的な理由)
一方で本学のボート部はどうかと尋ねると、こう答えます。
● ポジションが少ない
シングル、ダブル、フォア、エイト。
役割の多様性が極めて少ない。
● 体験のハードルが高い
水上スポーツで安全管理が必要。
気軽に体験できない。
● SNS映えしにくい
水上での撮影が難しく、迫力が伝わりにくい。
● 「大学から始めるスポーツ」という認知が弱い
ラクロスやアメフトほどブランドがない。
● 通い練習が弱みに見える
他大学は艇庫生活で一体感が強い。
本学は通い中心で、生活の一体感が弱く見える。
こうした構造的な理由が積み重なり、新入生が興味を持つ前にボート部は候補から外れてしまうと指摘するのです。
■ しかし、ボート部には“強み”がある(ここが希望)
ここまで読むと「ボート部は不利だらけなのか」と思われるかもしれませんが、実はそうとも限らないと以下のことを教えてくれます。
ボート部には、ラクロスやアメフトには絶対に真似できない強みがあります。
● 成長の速さ
大学から始めても半年でレースに出られる。
努力が結果に直結する。
● クルーボートの一体感
クルーが完全に同期する瞬間の快感は、他競技では絶対に味わえない。
● 通いスタイルの現代性
都内で生活できる体育会。
学業・バイトと両立しやすい。
艇庫生活より現代の学生に合っている。
● 初心者でも全国を目指せる
体格も運動経験も問わない。
努力次第で強くなれる。
● 結果のインパクトが大きい
競技人口が少ないからこそ、結果を出しやすく、その価値も大きい。
これらは、ラクロスやアメフトにはない魅力だというわけです。
もちろんこれらは私も含め、皆さんも感じていることだと思います。
話は少し戻りますが、本学のラクロス部であっても練習場所は日によって変わり、遠方に早朝から交通費をかけて通うことが日常茶飯事であるとよく聞きます。
きっとこの多摩川近郊で練習している大学生も、始発に乗って現地に赴き、練習に明け暮れているのでしょう。これはどんなスポーツでも条件は同じということに気づきます。
戸田という立地、朝が早い、練習が辛い、一人欠けると成立しない。
こんなネガティブワードが、入部しない人や辞めていく部員からも聞こえてきますが、自身がその競技にのめり込んでさえすれば、苦労をしてでも努力をすることは厭わないのが普通ではないでしょうか。
むしろネガティブワードを口にする者というのは、何かに言い訳をしながら競技を続けることをすでに拒否している者であり、そういった仲間と同じベクトルで活動を続けて、ボート本来の求める一体感を果たして醸成できるものでしょうか。
だからこそ、興味のない学生を無理に連れてきて入部を働きかけても効果は薄いでしょうし、中途半端な気持ちで入部して本格的な練習が始まった場合に離脱するという構図は、起こるべくして起きていると感じませんか。
だからこそ、前回のブログでも触れた通り、私たちが進むべき道というものを今一度考えることが必要なのだと私は思っています。
もちろん、最初からやる気に満ち溢れて入部してくるより、競技に触れながら慣れていき、その先に自身の目指す方向性が決まるので、最初はゆるくから、という部員たちの考えは十分に理解しています。
でも、我々が競技志向であること、そして我々が感じているボート競技の魅力を伝えていくことは欠かせないことであると私は思うのです。
■ ボート部が新入生に響くためには「新歓前に興味を持たせる」必要がある
さて、本題から少し逸れましたが、ここが最重要ポイントです。
今までの戦略のように新歓で興味を持たせようとしてもやはり遅く、新歓は「興味を持った人が来る場所」にしていくことが、これから私たちができることではないでしょうか。
ですからボート部は、新歓前に興味を持たせる仕組みを作る必要があります。
そのためには、
・SNSで人の魅力を出す
・成長の速さを伝える
・クルーの一体感を言語化する
・通いスタイルの現代性をPRする
・初心者でも全国を目指せることを伝える
・インカレ最終日進出の価値をブランド化する
これらを「新歓前」に届けていくことが重要になるのではないでしょうか。
もちろん今までも試みてきましたし、これをすればという必勝法なんかではありません。
それでも今から時間をかけて大学生としての視点で、来春の新歓でどのように部員を獲得するか。
これが大きなテーマであり、皆の共通目標であることは間違いないと思うのです。
そして、それは前回の投稿でも触れた役割にも大きく関係してきます。
決して競技で高い目標を持てずとも、同じ部の仲間が大きな舞台で活躍し、本学・当部の名を知らしめることに対しては、ここにいる部員たちはきっと望んでいることでしょう。
そして、こういった新歓のシステムを構築することや、真剣に活動に励む者を引っ張ってくることも、部員としての立派な成果なのです。
その役割はむしろ皆が望むことであり、競技以上に真剣に取り組むことができれば、うちの部はこれからますます発展していくと私は確信しています。
これは「監督が言ったから」ではないということは、皆さんも気づいているはずです。
今、自身がなぜここに所属し、そしてなぜ部員がもっといてほしいか。
その本来の目的を鑑みれば、自ずと行動は決まってくるのではないでしょうか。
インカレを目指す・目指さないという議論は問題の本質ではなく、この組織がどうあるべきかは、もっと違った視点で皆が考えられるはずなのです。
■ 最後に
ラクロス部やアメフト部が人気なのは、彼らが特別だからではありません。
競技の構造が大学生の心理に合っているからであり、そして彼らは新歓前に興味を持たせる仕組みを持っています。
一方でボート部は、魅力が“まだ伝わっていないだけ”です。
成長の速さ、クルーの一体感、通いスタイルの現代性、初心者でも全国を目指せる環境。
これらは本来、青学ボート部の強みであり、誇るべき価値です。
だからこそ、私たちはその魅力を「見える化」し、ボート部の存在を多くの人に届けていく必要があります。
この部が、挑戦する者にも、これから挑戦したい者にも、それぞれの居場所がある組織であり続けられるように。
そして、「青学らしさ」を守りながら、大学スポーツの中で独自のブランドを築き上げていければと思います。


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