エースの登場

週末の大会終了と同時に一気に冷え込み、冬がもうそこまで来ていることを実感します。とは言え、この時期特有の寒暖差で、また明日以降は秋晴れの陽気が続くと天気予報では示されています。一か月後の東日本新人まではなんとかこの秋晴れが続いてほしいものだなと願うばかりです。

さて、先日の大会のオマケ投稿です。この大会は1年で数少ない平日からの開催で、中でも木曜、金曜で予選、敗者復活戦が終わってしまうインカレや全日本選手権と比べると土曜まで全員が残っている貴重な大会です。要するに前述の大会では準決勝以上に勝ち進まないと大方の社会人には到底応援に来ていただけない状況なのです。その点、今回は土曜に敗者復活戦が行われるので、誰か来ないかなと思っていた矢先、ダブルの二人を船台で見送った後に目を疑う人物をそこに発見したのです。

そう、それはエースこと、米山の姿でした。他人の空似では?と彼がここにいることを疑ってしまうくらい想像していなかったわけですが、声をかけたらやはりそれは正真正銘のエースでした。ちなみにエースと呼ばれる彼ですが、私は彼にそう呼んだことはありません。この名前の由来は恐らく彼の先輩、後輩たちのみ知るところですが、ここでは触れないでおきます。

それはさておき、どうしたのかと尋ねると職場の直属上司が他大学のボート部関係者だそうで、その方からボート部に顔を出しているのかと心配されていたようです。それでもここに来るのには勇気がいったことでしょう。なんせ卒業以来のことで、今や彼が知っている学生は誰一人おらず、近況すら知らない中、飛び込みで来たわけですからこちらも正直驚きました。

本人曰く、その日のLINEでは、いちOBとしてどう顔を出していいか直前まで迷い、現役がOBに対する悪印象が根強いのではないかと覚悟もしていたそうです。それでも現役からは温かい歓迎を受け、来て良かったと口にしてくれたので、こちらも安心しました。もしかすると若手OBらがこの戸田に来るのを躊躇するのは私の存在かもしれませんが笑、私自身は皆が来ることは大歓迎であること、それは途中辞めていった部員然りであることを彼に伝えました。

そして、彼らがいたからこそ今がある、それは変わらぬ思いとして持っています。当時は心を鬼にして接したこともあります。彼らの主張を言い訳だと言わんばかりに自分の考えを押し付けたこともあります。ただそれは部を築いていく上で、理解してほしいという一心だったのですが、その当時の自分には彼らの本当の考えや思いを理解し、受け止めるだけの器量がなかったのだと思います。

もちろん今でもそんな大層な器量は持ち合わせていません。それでも選手たちが成長し、勝つために何が必要かと考えると、接し方や促し方は以前に比べて、自主性を重んじているのだと思います。自主性という言葉は監督就任以降、すっと掲げた方針ですが、この言葉の意味の捉え方は過去とは随分違うのかもしれません。

話しは戻りますが、初めてのエースの登場を現役部員らは温かく迎えてくれました。最近ではポツポツとOBの方々がふいに戸田に顔を出してくれたり、現役支援ということでこっそり寄付をしてくれることが増えてきました。本当にありがたいことです。部員が増え、少し賑やかになったとは言え、現役らにとってはやはりOBの激励は嬉しいものなのです。

それは自身らの家族や関係者の応援も然りです。夏の合宿前に保護者会を立ち上げ、今ではレース案内や結果などをTAが呼びかけてくれ、戸田に足を運んでいただいたり、LINEグループを通じて情報交換なども出来るようになりました。いつの時代も支えがあるから頑張れる、こうした姿こそ部の再生に望んでいたことなので、ようやくかたちになって実りはじめたのだと思っています。

余談ですが、エースの職場はスーパーゼネコンの1社です。実は私も今の仕事で建築を依頼したのが彼の勤め先だったので、時折彼の職場となる会社にて打ち合わせを行っており、偶然会ったりしないものかなと思うことも多々ありました。そういうタイミングで彼が戸田に来ると言うのもやはり単なる偶然ではなく、巡りあわせだったのかもしれません。

そしてこの日は部のミーティングにも参加してもらい、現役らに対してのメッセージも一言もらいました。真面目な彼らしい言葉で、現役当時を懐かしく思い出しましたが、きっと彼にとってもこうしたミーティングが懐かしかったことでしょう。以前と変わらず1番艇庫の奥で皆で座って円になる、変わらないですねという言葉がそう物語っていました。

この日はレースでの収穫もありましたが、ミーティングでも皆がそれぞれに前向きな発言で、次なる目標に狙いを定めていました。きっとこの経験が更に彼らを強くしてくれるものと思います。また夕方にはTAの練習を今度こその乗艇で締めくくり、長い長い1日を終えたのです。今季も残すところあと一か月ほど。悔いなく、今度は勝って今季を締めくくりたいと思います。

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