インカレの余韻と、混成エイトの挑戦
近年のインカレは、水曜日から始まり5日間というスケジュールが定着してきました。
そのため、今年のように「一コロ敗コロ」(予選敗退→敗者復活敗退)となってしまうと、木曜日にはすべてのレースが終了してしまうという事態に陥ります。
今年は特に、事前にアナウンスされていた日程と実際のスケジュールが変更されたこともあり、棄権情報やレース日程の変更は、もう少し早く知りたかったというのが正直なところです。
応援に来てくださる方々への案内を考えると、確定情報が少ないのは悩ましいですね。
(もちろん順当に勝ち上がってさえいれば、こうしたスケジュール変更も何ら影響することがないのかもしれませんが。)
台風襲来の中でのレース
残念ながら代表クルーの戦いは木曜日で終わりましたが、金曜日以降もオックスフォード盾レガッタやジャパンオープンレガッタに出漕する選手たちの応援は続きました。
オックスフォード盾レガッタの予選は木曜日から始まり、金曜日には敗者復活戦が予定されていました。
しかしこの日は、関東に台風が襲来し、大雨の中でのレースとなりました。
負ければ終わりという敗者復活戦だけでなく、それこそ最終日行きを賭けた準々決勝レースもこの日に行われたのですから、出場した選手たちにとっては大変厳しい環境の中でのレースを強いられたことになったわけです。
思い返せば、2年前のインカレでも金曜日に台風が直撃し、レース中止と突然の組み合わせ変更が物議を醸したことがありました。
(当時のことについて触れた過去記事は下記にて)

今回も同様の事態が懸念され、この時の悲劇がまた繰り返されるのではと予感したのか、大会前日の代表者会議では「タイム優先方式が採用されるのか?」という質問が出ていました。
協会側は可能性を示唆しつつも、明言は避けていました。
結果として、午後のレースをすべて午前中に前倒しするという措置が取られ、無事に予定されたレースはすべて実施されました。
この日、運営に関わったすべての皆さま、本当にお疲れさまでした。
私は現地に行けず、映像越しでしか様子を見られませんでしたが、艇に降り注ぐ雨量は相当だったと聞いています。
その中で、実力を発揮しきれずに敗れたクルーもいたことでしょう。
混成エイトでの成長
当部から出漕したオックスフォード盾混成エイトでは、1年生の徳谷・髙橋の二人がこの日をもって戦いを終えました。
レース直前まで試行錯誤を重ね、まるで別人かのようにボート競技に熱を入れて取り組んでくれましたが、結果としては「一コロ敗コロ」。
それでも、レース後に寄せられた二人のコメントは、非常にしっかりしたものでした。
以下に一部を抜粋します:
- 初めは漕ぎの正解すら分からなかったが、レースに出場できるまで成長できたことが大きな成果。
- R大では映像分析や指導を通じて「1枚分をきれいに入れる」ことに苦戦しながらも改善できた。
- この経験は自身を大きく成長させてくれ、最終日にこそ残れなかったものの、最終目標である7分のタイムを切ることができ、何より楽しかった
- 台風の影響でグリップが滑りやすく、腹切りも起こしたが、課題を意識して取り組めた。
- コックスコールに食らいついたものの、技術面だけでなく、体力・筋力面でも課題を感じた。
- R大では乗艇前に意識するポイントを共有する文化があり、目的意識の大切さを学んだ。
- メンバー間での指摘や振り返りの機会が多く、練習の質にこだわる姿勢を今後も取り入れたい。
このようなコメントを聞いて、何もしていない自分を棚に上げて、ちょっと感動してしまいました。
実際、敗戦翌日に行ったエルゴ2000m測定では、前回記録を大きく上回る快漕を見せてくれました。
このタイムには正直驚きましたが、なにより一本一本の漕ぎに気迫と執念が宿っていて、意気消沈していた部にとっても、非常に嬉しい出来事でした。
飯尾の奮闘と勝利の喜び
そしてもう一つの混成エイトで出場した飯尾については、この大雨の中、行われた敗者復活戦で見事に勝ち上がり、翌日以降の準決勝進出を決めたのです。
後に見たクルーの喜びの写真は、まるでインカレ優勝かのような喜びかたがとても印象的でした。ボート競技は、こうして「1着を勝ち取る」瞬間があるからこそ、普段から凌ぎを削り、この瞬間のために努力を続けていると言っても過言ではないでしょう。
一方で、大会期間中に気になったのは、敗者復活戦以降に見られた「着順を狙ったようなクルーの姿勢」です。
着順式のプログレッションが事前に明示されているため、その着順によって進出先がある程度予測できるとはいえ、あからさまなペースダウンはスポーツマンらしからぬ姿勢に映りました。
私自身も現役時代、タイムや着順を意識したことはありますが、インカレという最高峰の舞台では、やはり全力で挑む姿勢こそがふさわしいと感じますよね。
(これには当然賛否があるでしょうから、あくまで個人的な意見として書かせていただいています。)
話はそれましたが、飯尾のクルーは準決勝で3着となり、決勝Bレースへ。
最終日には、青学OB・OGやその保護者の方々も多く応援に駆けつけてくださり、盛り上がる中でのレースとなりました。
結果は決勝Bレース3位。惜しくも総合8位入賞には届きませんでしたが、4本のレースを通じて得た経験は、彼にとって大きな財産となったことでしょう。
重信の挑戦と女子混成エイトでの経験
ジャパンオープンレガッタに出漕した重信も、最終日に決勝レースに挑みました。
女子混成エイトの選択肢として、インカレではなくこちらを選択。
出漕したのは、社会人混成3艇+大学混成2艇という構成。
予選による勝ち上がりはなく、前日に同組み合わせで予備レースまで行われました。
2回のレースを通じて、2000mの厳しさを体感したことでしょう。
結果は社会人TOPクルーが相手とあって、想像通り大きく離されましたが、ほぼ未経験のメンバーが1か月でレースに出場するまでに至った過程は、称賛に値します。
こうした機会だけでもありがたいことですが、S大学さんを中心としたスタッフ、部員が一番大変な初期段階を手厚く指導してくれました。
思い返せば淡路、飯尾もこうした機会を通じて今があるのだと思います。
重信自身もこの経験を通じて育まれた絆や結束力は、今後の成長にきっと寄与してくれるはずです。
今回は、混成エイトの活躍や、インカレの実態について触れたサブストーリーをお届けしました。
まだ少し書き足りないこともあるので、近いうちに第3弾も投稿する予定です。
いつもながら長文のブログにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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