文字で伝えることの難しさ

5月も半ばに差し掛かり、天候にも恵まれると過ごしやすい季節だと感じる日が多いですね。

例年に比べると夏日になるような日も少ない気がして、心地の良い春がまさに今なのではないかと日々感じています。

さて、少しブログに書くネタがなかった今週は最近、言葉ではなく、文字で伝えあうコミュニケーションの中から現状を報告しようと思うのです。

その前に。

実は私、最近、ある二人に大きく影響を受けています。

一人は作家で、物語を書いた作品も素晴らしいのですが、ご自身がブログでも発信しており、その方の表現力や感性にすごく惹かれて読み入ってます。

よく本を読む方なら一度名前を聞けば知っているくらいに有名な方ですが、私自身も彼の書籍を取って読んでみたのがそれこそ、ここ2年ほどのことなので、まだまだ彼の読者としてはビギナーです。

それでも自分も何か彼と同じように自身の考えや思いを読み手に伝わるように発信していけたらなという憧れをもっています。文才ある人って素晴らしいですよね。

もう一人は今の勤務先で最近出会った方です。

この方も自身の考えや思いをすごく持った方なのですが、それをただただ周りに伝えるのではなく、相手にどう伝えれば、共感を生み、周りが変わるか、行動してくれるかを考えている人なのです。

会社組織において上の人(いわゆるトップ)が言ったことを単なるスピーカーのようにして発する人には辟易しますが、自分の考えに落とし込んで正しく発せられる人は稀だなと思います(私のいる環境だけ特別なのかもしれませんが)。

ですから文字にも言葉にも説得力というか、魂のようなものが本当に必要なことなので、二人の表現力というものにすごく惹かれているのです。

まぁあまり具体的に話すと特定できてしまうので、あまり触れないようにしますが、仕事で影響を与えてくれる人に出会えるとモチベーションも上がりますよね。

そう考えると入社した頃も共通の趣味を持つ憧れの先輩に目をかけてもらい、異動した時にはお手本となるような先輩に学ばせてもらい、今はまた考え方の深堀をできる方に出会えた、そんなところです。

人間は出会いという偶然の出来事から生き方も含めて大きな影響を受けるものです。

出会うための〝環境〟というのも当然ありますが、誰もが同じように影響を受けるわけではないのですから、これは命ある者の運。

つまり、出会いこそ『運命』と言えるのかもしれませんね。(運命の由来は別にあるのであしからず)

だからせめて出会いを欲する生き方をしていきたいものですね。

 

はて、これは何のブログだったか、、、そう!ボート部のブログです!

よって本題へ。

今週、淡路がある選手とペアに乗る機会をいただいたようで、練習を終えた本人からも詳細の報告があがってきました。

以前に比べ意識的に練習予定、近況を密に報告してくれるようにもなり、また日々の行動も変わりつつあるうちの主将です。

人間がこうして成長したり、変わっていく姿を見ていられるのも指導者としては本当に嬉しいことです。

そんな淡路が、この練習において1番強く感じたのはキャッチを無理して取らないこと、自分の力が最大に出るポジションでドライブすることを改めて肌で感じ取ったようです。

その他にもラダーテクニックなんかの重要性も知ったようですが、何より普通にペア種目を漕げる感覚を知る機会にもなれたのでしょう。

スイープに慣れない二人が急にペア種目に転向したわけですから、それはやはり難しさもあります。

水上でうまく表現できないがゆえに、正解であっても、それすら正しいと思えず悪戦苦闘しているのが今です。

今週半ばにレース前最後の水上タイムトライアルも実施したようですが、想像通りのタイムでもありました。

これが現実ですから来週に控える全日本選手権ではきっと厳しいものになると思います。

でも彼との練習はそんな淡路にもこの先に向けて一筋の光が見える練習にもなったでしょうから、ここからまだまだ大きく変わっていく可能性も感じ取っています。

だから今はシンプルに有効レンジの中でしっかりポジションを作り、水中プレッシャーを効率的にかけること、これを結城さんとも伝えています。

先週末にはエルゴの測定も久々に行ったようですが、こちらも全員がレコードからは程遠い記録で終えたようです。

これが現状の力か、と言えばそうではなく、正しく水上で力を伝えきれてないからこそ、行っている練習の力(成果)が反映されていないのだと思うのです。

エルゴであれば一定の水中強度を維持して練習できますが、水上メインで行っている今は、その力をうまく発揮できていません。

だからと言ってエルゴばかり行っていても近づく大会に向けては意味もありません。

私自身はこのエルゴ練習と水上練習のバランスこそがすごく大事だと思っています。

そして水上練習で追い込めるようになれば記録としても必ず伸びてくることを体感しているので、そこまでに彼らもあと一歩なのではないかと思っています。

全日本選手権が終われば、少し頭も体も(心も?)整理する時間を持とうと思います。

でも課題はもう見えてきているので、インカレに向けてどう作り上げていくかに尽きると思います。

練習を見てやれず、顔を見てコミュニケーションを取れないからこそ、文字だけで伝えあうことが頻繁にありますが、読む方も書く方もしっかりと伝えていくことが大事なのでしょう。

またその際の表現も難しいもので、「大きく、遠くにエントリーすること」を目指すよう伝えていたことが、今の彼らにとっては前に出過ぎてしまう要因となっていたのではと反省もしています。

キャッチで崩れることの原因を探ってもなかなか答えは見つからないはずですが、崩れるものと考えて行動すればどうでしょうか。

私はそんな言葉を彼らにも投げかけました。

それは、なぜセットポジションが大事かという点。姿勢ではなく、オールが艇に対して垂直にあることの意味を今一度理解してほしいからでもあるのです。

だからこそ、セット時にフラットにならない、要するに正しいセットとバランスを取れていないままキャッチに入っていくことがどういうことかを伝えてみました。

一度バランスを取れる状態が作れるのであれば、崩れる場合の理由も必ずあるので、そこに目を向けてほしいからです。

こんなこと当たり前の基礎と言われるかもしれませんが、言われなければ気づくことがないかもしれません。

そういえば私が競技を始めた頃はこんなこと誰一人教えてはくれませんでした笑

でも考えながら練習するということは、こうして自分たちで正解を見つけていけるということでもあり、それがまたこの競技の面白さでもあると思うのです。

いつも言う『道具を使う競技』だからです。

 

ボートって面白いもので、艇に乗って、オール使って漕ぐのに走る人より遅いんです。

それが1人乗りならまだしも、8人乗りでも遅いってどう思います?

それでいて、あえてボートで競うわけですから変わってませんか?

(だからボート競技をしている人って変わっているというか、他とは違うことをしたがる人なんだと思いますが)

何を競っているかって、水上で人間のスピードの限界や追求とかではなくて、ボートを一番速く進ませることを競っているんですよね。

人間は不思議なことを考え付いたわけですが、でも考えたのが人なのだから、速く進められる方法も考えれば分かるはず!と思うようにしています笑

 

さて、今週末は東日本夏季競漕です。

戸田レガッタから2週間。大きな成長は望めないかもしれませんが、レースこそ学びがある機会ですから、次につなげるヒントになればいいですね。

そして文字のやり取りばかりの今ですが、現地で久々にコミュニケーションを取りながら皆でともに考えていこうとも思うのです。

あいにく天気は良くないようですが、是非、青山学院大学ボート部の活動を観に戸田ボートコースへお越しください。

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