葛藤の日々を経て

気が付けば季節は梅雨も明け、また今年も暑い季節がやってきました。

随分とこのブログを更新できずにいたこと、そしてボート部の近況をお伝えすることもできずにいたことを、まずはお詫び申し上げます。

なぜ更新が途絶えていたのかを一言で説明することは難しく、この期間は私自身にとっても重く、長く、そしてとても苦しい時間でした。すでに部の異変にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、起こった出来事のすべてをここで書き記すことができない事情だけは、どうかご容赦ください。

今回の出来事を受け、私は悩み、苦しみ、反省と後悔の毎日を過ごしてきました。しかし、どれほど言葉を尽くしても過去を変えることはできません。今の私にできることは、これからの部の活動や運営の方針を見直し、改善を重ね、より良い環境をつくることだけです。

この間、私は監督としての活動を自粛していました。今でも迷いの最中にありますが、それでも頑張っている選手たちの姿をきちんと伝えねばと思い、再びこのブログを開くことにしました。

ここからは時を遡りながら、しばらくの間の彼ら、彼女らの活躍をお伝えします。

6月初旬、海の森水上競技場にて全日本ローイング選手権が開催され、当部からも今年も出漕を果たすことができました。

男女ともにシングルスカルでの出漕を予定していましたが、大会直前の台風襲来によりレーススケジュールが変更され、女子シングルスカルで出漕予定だった菜名ちゃんは授業の都合で棄権を余儀なくされました。初の2000m、そして最高峰の舞台でどのようなレースを見せてくれるか期待していただけに残念でしたが、それは次の機会への持ち越しとなりました。(ただし、この鬱憤は翌週に見事に晴らすことになります)

そして当部から唯一出漕した男子シングルスカルの白川。彼はこの大会で「青山学院大学の白川」という存在を強烈に印象づけました。実況でもその名が何度も呼ばれ、海に生きる男として強烈なインパクトを残していたようです。

私は現地でレースを見ることができず、結城さんや元さんから状況を聞きつつ、ライブ配信で見守りました。台風の影響もあり、最後までラフコンディションとの戦いとなった大会でしたが、白川はシングルスカルで初の全日本級の舞台で準決勝進出にあと一歩のところまで迫り、C決勝では見事な快漕を見せ、鮮烈なデビューを飾りました。

翌週には久しぶりにエルゴのタイムトライアルを実施し、その白川を含めて3名が記録更新を達成しました。中でも驚かされたのは髙橋です。入部当時は線の細さもあり、この先のエルゴでは苦戦するだろうと見ていた選手でしたが、この1年で約1分タイムを縮め、ついにインカレ基準タイムを突破しました。

「次は必ず7分を切ります」と宣言していた彼の言葉を半信半疑で聞いていた私ですが、今回の結果はまさに理想的な成長曲線であり、今後の部員たちの良いお手本になる取り組みだったと思います。

もちろん記録が出た者も、そうでなかった者も、それぞれに理由があります。それを受けてどう変わるかは自分次第です。こうした飽くなきチャレンジが続く風土になればと願っています。

同じ週末、戸田ボートコースでは国民スポーツ大会の埼玉県代表選考会が開催され、全日本選手権を棄権した菜名ちゃんが挑みました。代表枠7名に対しエントリーは9名。大学生は全員経験者で、なんとか補漕にでも滑り込んでほしいという気持ちでした。

予選は試漕でしたが、タイムからは逆転も厳しいと思われた順位決定レース。ここで彼女は真価を発揮します。スタートこそ静かに出ていきましたが、500mを過ぎてから徐々に艇速を上げ、残りのスパートで一気に首位へ。そして見事に1位でフィニッシュし、埼玉県代表となる7番目の切符を手にしました。

この日の私は監督ではなく、一人のOB、いえ、一人のファンとしてそこにいました。レースを見守りながら、気づけば大声で声援を送り、ゴール後には思わずガッツポーズまでしていました。元さんから「監督が声を上げて応援していて驚きました」と言われましたが、それほど胸が熱くなったのです。

やはり、部員たちが必死に戦う姿を見れば、私は監督である前に、この部のファンであり、応援者であり、一OBなのだと改めて感じました。

そして、この時はっきりしたことがあります。私は監督という立場に執着していないということです。就任以来ずっと変わらない気持ちですが、私はこの立場に固執したり、組織を自分の意のままにしようという気持ちはありません。

ただ、近年競技に本気で向き合い、指導を続ける中で、「部の価値」より「勝ち」を優先してしまっていた自分にも気づかされました。勝負ごとにおいて勝ちを追求することは必要ですが、主役はいつだって部員たちです。

過去を振り返れば、監督ファーストの決断が部を暗黒期へと導いた歴史があります。再建に乗り出した私自身も、知らず知らずのうちに自分の考えで皆を染めていたのではないかと自問しています。そしてその答えはまだ出ていません。

ただ一つ言えるのは、私が必要とされなくなれば潔く退き、一OBとして応援に回る覚悟は常にあるということです。私以上に熱を持って監督を務めたい者がいれば、そのポストを譲るつもりです。私がこの部に必要かどうか、この機会に是非皆さんにも今一度考えていただければと思っています。

もちろん、部内でもこれからのボート部の在り方について、部員たちと時間をかけて話し合っていくつもりです。私が考える在り方ではなく、今の部にとっての「あるべき姿」は、そこにいる皆が意見を出し合ってこそ形になるものです。

スタッフ陣も部員たちも、同じようにそれぞれが葛藤を抱えています。先日も思いを共有する機会を設けましたし、これからも続けていきます。正解の形はありませんが、互いを必要とし、できるだけ近い価値観と共通の目的で歩んでいけるよう、環境づくりを進めていきます。

このブログも、私の主観で出来事や思いを綴ってきましたが、今回の出来事はそれすら躊躇うほど考えさせられました。続けるかどうかも今は答えが出ていません。

ですから、義務感ではなく、その時々の感情に身を任せながら、しばらくはこのブログと向き合っていこうと思います。今回の内容をどう受け止められるかは分かりませんが、ほんの少し気持ちの整理がつき、前を向き始めるこの瞬間に、今の思いを書き記しました。

時は早く、今年のインカレまであと一か月ほどです。きっと近年でも最高の輝きを彼ら、彼女らが見せてくれるはずです。ぜひ皆さんにも応援していただければ幸いです。

こんな私ではありますが、ささやかな願いとしてお伝えさせていただきました。

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