予想最高気温が30度だった昨日。
結果的にそこまでは気温も上がらなかったものの、湿度が高かったせいでジメジメとした日本特有の蒸し暑さを感じる一日でした。
そんな中、戸田ボートコースでは東日本夏季競漕が開催され、青山学院大学ボート部はダブルスカル種目で見事に準優勝を飾りました。
またこの日はコースコンディションも朝こそ順風となる風が吹いていましたが、午後にかけても比較的フラットな静水状態で、レースを漕ぐ選手たちにとっては非常に恵まれた状態だったと言えるでしょう。
シングルスカルで出漕した飯尾は戸田レガッタで目標としていた4分切りを達成できず、この大会でなんとかと意気込んで挑んだ結果、タイムとしては追い風にも助けられ、目標を達成することができました。
その予選レースでは前半こそ出遅れたものの、後半の粘りから他艇をラストスパートで追い抜きなんとか2着でフィニッシュしました。
終えてみてのタイムこそ4分切りを果たしたものの、残念ながら全体タイムでは7番目となり、あとわずかの差でAファイナル進出を逃しました。
そして迎えた午後のBファイナルではタイム最上位の特権として与えられた3レーンからの発艇。
順当な1着フィニッシュを期待しましたが、ここでも予選レース同様に前半から出遅れるかたちとなり、追走する苦しい展開となりました。
最後は他艇の艇速が落ちる中で、スパートしたもののまんまと逃げきられてしまい、結果は3着、総合9位に終わりました。
今大会でも前後半の差が大きく出ることのないレースっぷりは安定こそ感じさせるものの、後半巻き返しが難しいボート競技においては、こうしたレース運びでは展開に左右され、自分で勝ち切ることが中々できません。
全日本級のレースでは予選であれ、敗者復活であれ、1着のみが進出できることが大半のため、今後はこうしたレース展開にあわせたレースではなく、自分から勝ちに行くスタイルでレースを作ることが必要となります。
そのためにはやはりフィジカル面の強化とスピードの追求が今まで以上に必要だなと改めて感じたところです。
飯尾に関してはしばらくレースから離れることになりますが、だからこそここが正念場と奮起してもらいたいと思います。
一方、軽量級ペア種目で全日本選手権を控える淡路、白川は即席ダブルスカルでの出漕となりました。
前日まで出漕することすら悩んでいた様子でしたが、レースでこそ学べることもあると伝え、悩んだ末に自ら出漕に踏み切りました。
ですが、このレース当日も全日本選手権に向けて最後の戸田練習となることから、早朝からペア種目での練習をこなし、そのため私も久々に彼らの練習に伴走してきました。
印象としては本人たちが言うようにUT練習では良くはなっているものの、レースレートでのパドルを見たところやはり艇をうまく動かせていないなとは感じました。
とは言え、一日二日でどうこうできる問題でもないことから、今の持てる力で戦うしかほかありません。
そしてこの早朝練習を終えるや否や、今度は再集合でダブルスカルに乗り替えて出艇していきました。
予選に関しては「まず慌てずしっかり一本を大事に」と送り出したわけですが、実際のレースでも気負うことなく、ゆったりしたスタートから終始コンスタントで漕ぎ続けた結果は3着でのフィニッシュ。
種目が変わってそれなりの違和感はありそうなものの、予想していた通り、それなりに漕げてはいたので、決勝では勝負したいのであればスタートとスパートだけ頑張っていいと指示しました。
ただし、ムキにならずコンスタントでしっかりと息を入れること、気持ちに余裕をもって挑むようにと念押しで伝えましたが、その決勝レースでも有言実行のごとく、外から見ていても安心できるレースを見せてくれたのです。
結果的には予選で敗れた2位のクルーを今度はきっちりと差し切り、2着でのフィニッシュとはなりましたが、当日のぶっつけ本番でのこの結果ですから良かったのでしょう。
何より、漕いでいた本人たちも常に余裕のある漕ぎでレース自体を楽しめたようで、陸に上がってきたときもレースが楽しかったと口にしていました。
これを聞いて、やはり種目が違えど、レースではレースでしか味わえない経験があるのだと改めて感じましたので、出漕したことが吉となったようです。
オマケに準優勝という表彰もついてきたわけですから、久々の晴れ舞台に立ち、本人たちも晴れやかな表情をしていたのが印象的な日でもありました。
ちなみにこの日、私自身も早朝練習からレース時間にあわせて自宅とボートコースを計4往復しました。
でも僕の4往復なんて大したことないと思えるほどに、早朝練習、レース2本に加えて、レース後には白川にはダブルで再度練習を課しました。(いわゆる4モーションですね笑)
ただ、これを罰としたわけではなく、早朝の練習を見て気になった体の動きや感覚を私自身が直接伝えるべく水上指導を試みたのです。
普段のペアでの改善はもとより、根本的な体の動きとオール捌きであればどの艇種でも同じですので、バランスを自然に取るための極意となることを伝えました。
冒頭にも書いた通り、この日は終始絶好のコンディションでもあったので余計に伝えやすかったこともありますが、私自身はやはり修正すべき点と感じていたことが、実際に漕いでみて確信に変わりました。
そして全日本選手権に向けて、というより今後に向けての修正点を伝えましたので、これを会得すれば彼はもっともっと成長することでしょう。
ダブルで指導を終えた後、本人はシングルスカルを志願して、5モーション目に突入していましたが、そういう貪欲な姿勢も白川の良いところなのでしょう。
今はまだ未完成の部員たちですが、全員がまだまだ大きな伸びしろを持っています。
あとは本人たちの意識、そして努力次第ですが、夏のインカレではさらに成長した姿をお見せすることができるでしょうから、楽しみにしておいてください。
と随分と先の話をしてしまいましたが、今週からいよいよ全日本選手権です笑
1年に一度の海の森でのレース機会です。出る者も応援する者も大いに楽しみましょう!
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