前回投稿を今年最後の投稿としたつもりですが、大晦日当日となって結城コーチは依頼していたブログ投稿が返ってきました。
年内最終日、宿題をギリギリで済ませてくれた結城さん。
『大晦日だよ、結城さんスペシャル』
年の最後に是非ともご覧ください。
混成という挑戦の先に
須田監督からバトンを受け取りながら、気づけば2か月が経ってしまいました。
カレンダーを見れば、もう大晦日。
何度も書き直しながら、それでもこの想いだけは年内に残しておきたい。
そんな気持ちで、なんとか書き上げています。
須田監督がブログに記してくれた通り、今回の新人戦は、中央大学にとっても、そして混成に関わったすべての選手にとっても、特別な意味を持つレースでした。
ここからは、青学ボート部のコーチとしてそして一人の親として、その続きを記したいと思います。
参考記事はコチラ

息子の所属する中央大学の1・2年生の漕手は6名。
単独でエイトを組むことは難しく、混成という選択肢が現実的な状況ではありましたが、それは決して容易な判断ではありません。
中央大学は、新人戦の2か月前に行われたインカレでエイト3位。
そのメンバーが4名乗るクルー。
さらに昨年は単独クルーで新人戦優勝。
今回は連覇のかかる、極めて重要なレースでした。
その混成クルーに、青学から白川が加わる。
明治大学からは、クォドルプルでインカレ3位の選手が参加。
一方、白川はペアでインカレ敗者復活戦敗退。
実績だけを見れば、白川が背負うプレッシャーは明らかでした。
青学目線で見れば、白川はフィジカルこそ強いものの、技術面ではまだ課題を多く残しています。
正直なところ、不安は小さくありませんでした。
練習初日に私が見たのは、エルゴトレーニングでした。
フィジカル面では中央大学のメンバーに引けを取らず、エルゴのスコアも遜色ない。
それでも、実際の漕ぎを見れば、技術の差ははっきりと感じられました。
それでも白川は、自らを追い込み、誰よりも声を出し、周囲を鼓舞し続けていました。
中央大学の選手たちに物おじすることなく、自ら輪の中に入っていく姿勢。
その姿を見て、少しずつ安心感を覚えました。
実はもう一つ、私が密かに安心していた理由があります。
初めての合同でのトレーニングスタートを前に、「いよいよだな。がんばれ!」
そんなやり取りを、白川とLINEで交わしていました。
すると返ってきたのは、「タコパしてます。」の一言。
白川は、帰省していた息子が寮に戻る前に、すでに中央大学の合宿所に入寮して寮にいるメンバーとたこやきパーティーをしていました笑
思わず拍子抜けしましたが、同時に、「ああ、もう輪の中に入っているな」と感じました。
初めて顔を合わせる前から、中央大学の選手たちと自然に時間を共有している。
今思えば、あの何気ないやり取りも、混成クルーとしての大切な第一歩だったのかもしれません。
インカレで敗退が決まったあと、この混成の話を白川本人に伝えたとき、驚きながらも、はっきりとした喜びの表情を見せてくれました。
不安よりも、挑戦へのワクワクが勝っている表情でした。
親としては、息子・星羽が所属する中央大学の結果を、何よりも重視したい立場です。
それでもなお、青学の選手がこの舞台に立つ意味があると感じました。
ゴールした、その瞬間。
白川はガッツポーズを決め、中央大学の選手から自然と手を差し出され、強く握手を交わしていました。
表彰式では、同じ目線で、同じ喜びを分かち合う姿がありました。
混成という立場を超え、確かに「一員」として受け入れられている白川の姿に、強く心を打たれました。
優勝が決まった直後、思わず感情をあらわにしている私を見て、須田監督がこう声をかけてくれました。
「親の立場とコーチの立場、その二つでレースを見ている人は、後にも先にも結城さんだけですよ」
その言葉を聞いたとき、このレースをどれほど特別な立場で見ていたのかを、改めて実感しました。
一人の親としての想いと、青学ボート部のコーチとしての想い。
その両方を胸に抱きながら見届けることができたことを、心からありがたく感じています。
そしてその実感とともに、嬉しさが、さらに込み上げてきました。
今回の勝利は、単なる結果以上の意味を持つものです。
強い選手を集めた「選抜」ではなく、本来は単独で組んだ方が強かったであろうチームに、実績のない選手が加わるという「混成」。
その覚悟を決め、白川に声をかけてくれた中央大学のスタッフの皆さま。
そして、白川を受け入れてくれた中央大学、明治大学の選手たちに、改めて感謝を申し上げます。
青学ボート部は、9月より新しいコーチを招聘し、平日も毎日指導を受けられる体制となりました。
確実に、チームは変化の途中にあります。
白川の今回の挑戦も、その流れの中にあるものです。
この経験を「良い思い出」で終わらせるのか、「次につながる力」にできるのか。
それは、これからの取り組みにかかっています。
青学ボート部として、この経験が次につながっていくことを、強く期待しています。
中央大学と青山学院大学。
そんなこんなで、混成として見事優勝を飾ったわけですが、
さぁ、年が明けて2日は、箱根駅伝でばちばちの戦いです。
ボート部もいつかそうなるよう、あの時は一緒に優勝したね。
そんな話が笑ってできる日が来るよう、青山学院を強くしていく!
そんな決意を活字にして、2025年を締め括りたいと思います。


コメント