挑戦する背中にエールを

いよいよ9月に入りました。
とはいえ、まだまだ残暑が厳しく、もう少しだけ夏の気分を味わえそうですね。

この夏、特に盛り上がりを見せたのが高校野球でした。
「甲子園ロス」という言葉が生まれるほど、今年は例年以上に注目を集めていたように思います。

私自身、母校が出場していたわけでもないのに、なぜか今年は高校野球を観る機会が多く、たまたまテレビをつけた試合でも、手に汗握る熱戦が繰り広げられていました。

高校野球のすごさといえば、幼い頃に見た“高校球児のお兄さん”の姿が、いくつになっても変わらず眩しく映るあの感覚。
今年は長女が高校生になったこともあり、同じ年頃の選手たちがあの大舞台で活躍している姿を見て、なんとも不思議な気持ちになりました。

そして、負ければ終わりのトーナメント方式が、あの緊張感と興奮をさらに高めているのでしょう。
甲子園という舞台に立てるのは、ほんの一握り。
そこに至るまでの努力、選手一人ひとりの思い、そしてそれを支える人々の存在が、数々のドラマを生み出しているのだと思います。

そんな姿を見ていると、「自分たちは、彼らのように競技に向き合えているだろうか」と、ふと考えることもありました。

当然、あの舞台に立つには、並々ならぬ覚悟と努力が必要です。
厳しい練習に耐え、選ばれ、勝ち抜いて、ようやくたどり着く場所。

ボート競技にも、同じような苦労や努力があるはず。
でも、世界で通用する競技には、それを支える土台や仕組みがしっかりと存在していて、
逆に、まだ世界で通用しきれていないこの競技には、足りないものが多いのではないか――
そんなことを、勝手に考え込んでしまった夏でもありました。

この夏の総決算 インカレ、そしてそれぞれの挑戦へ

いよいよ、我らがボート部のこの夏の総決算が目前に迫りました。
明日からは、インカレ(全日本大学選手権)、オックスフォード盾レガッタ、ジャパンオープンレガッタが共催で開幕します。

大会期間は今年も5日間。当部からは、6名の選手が出場予定です。

オックスフォード盾レガッタ:男子3名の挑戦

まずはオックスフォード盾レガッタに出漕する男子3名。

3年生の飯尾は、3大学混成クルーで出場します。
インカレこそ断念しましたが、1年時にも同レースに混成エイトで出場した経験があり、今回はその経験を活かしてチームを支える立場に。

今年はスカル種目で鍛錬を積んできたこともあり、エイトの7番では安定したバランス感覚でクルーを牽引。
下級生中心の構成となった今回、2年前とは立場が逆転し、教える側として彼の持ち味であるキャラクターも存分に発揮されていることでしょう。

これからは最上級生としてチームを引っ張る立場。その自覚を胸に、レースでもリーダーシップを発揮してくれることを期待します。

そして、同じく同レースに挑むのは1年生の徳谷祥馬と髙橋宏太郎。
十字ブレードのR大学からお誘いを受け、これまで実現しなかった“ミッション系コラボ”がついに実現しました。

上級生が半分を占めるクルー、またさすがの強豪校ともあって、練習・指導・コミュニケーションのすべてにおいて、彼らは大きな刺激を受けているようです。
ナックル艇でスイープをかじった程度だった二人が、今では見違えるほどの成長を見せ、まるでR大の一員のような馴染みぶり(笑)。

冗談はさておき、ボートの技術だけでなく、部活動としての在り方まで学べる貴重な機会。
初レースへの不安もあるでしょうが、思い切って楽しんでくれることを期待しています。

ジャパンオープンレガッタ:女子の挑戦

女子からは、重信菜名が4大学混成クルーでジャパンオープンレガッタに出場予定です。

ほぼ未経験のメンバーから始まった混成クルー。エイトも初めて、すべてが新しい挑戦の中で、彼女はなんとストロークに抜擢されました。
そのポテンシャルに、多くの人が期待を寄せています。

各大学のコーチ陣が手厚くサポートしてくれる中、私自身が思うように参加できなかったことは反省点ですが、数回の練習で見た彼女の漕ぎは、納得のポジションでした。

気になることをマメに連絡してくれる積極性、そして漕ぐ姿勢の力強さ。
見ていて惚れ惚れするほどの漕ぎを見せてくれています。

唯一の女子部員として、今後はシングルスカルが中心になりますが、こうして他大学との交流を持てたことは、彼女にとって大きな財産になるはずです。

レースは日曜日の一本限り。最終日の決勝レースという、観客が最も盛り上がる舞台。
臆することなく、思い切って漕ぎ切ってくれることを心から期待しています。

青学の看板を背負うペア

そして、名実ともに青山学院大学の看板を背負って出漕するのが、男子ペアの淡路・白川。

これまでのブログでも何度も触れてきた二人。今さら語ることは多くありません。
ただ、淡路の4年間の最後を見届けるべく、土曜・日曜とコースに足を運び、状態を確認してきました。

練習は調整段階に入り、ハードな内容ではありませんが、艇速にはこれまでの努力の成果がしっかりと表れています。

ここまでくれば、今持てるすべての力を出し切るのみ。
結果は、正直私にも分かりません。

エントリーは22艇。うち3大学が棄権し、19艇での争いが予想されます。
例年挑んできたダブルスカルに比べれば少ないとはいえ、週末に戸田で見た各大学のクルーは、どこも速かった。

インカレにかける思いは、どの大学も同じ。だからこそ、不安も募るのは当然のこと。

それでも、これは淡路にとってラストレース
そして、青学ボート部にとっては、この二人こそが代表者です。

結果がどうであれ、最後まで見届け、しっかりと声援を送りたい。今はそんな気持ちでいます。

淡路へ 4年間のすべてを込めて

淡路の4年間には、いろいろなことがありました。
私自身、彼とともに歩んできたという自負があります。

期待し入部を決意してくれたあの時から、幾度となく期待に胸を弾ませることができた懐かしき日々。
そして気づけばまたここまで来ました。
彼の成長を見届けることが、私にとってもかけがえのない時間でした。

そして今は最後までやり遂げる彼の姿を見届けること。
それが、私自身の使命でもあると感じています。

そう、彼が最後までやり遂げる舞台まで共に歩んできたのですから。

 

淡路へ。
この4年間、よくぞここまで来た。
どんな結果であれ、君が漕ぎ切るその姿が、すでに誇りだ。

君の努力は、誰よりも知っている。
だからこそ、最後の一本に、すべてを込めて漕いでほしい。

君の背中を、誰よりも強く、熱く、応援しています。

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