原点回帰①(若かりし頃)

あっという間に台風が去っていたように、お盆もいつのまにか終わり、いよいよ世間で言う夏休みも残り2週間ほどとなりました。と言う私の夏休みはまだこれからですが、今年もまた実家に帰省する予定です。

お盆のこの時期と言えば思い出されるのは高校生の最大の目標とも言えるインターハイです。今年は台風の襲来も心配されましたが、開催地である四国には特に影響がなく、無事に開催されたようです。ちなみに今年の開催地は先日のブログでも書いた所縁の地である今治の玉川でした。

最近の高校ボート事情にはあまり精通していないので一応、結果だけと気にして見てみたところ母校が11年ぶりの優勝を果たしておりました。私の時代も全国ではそれなりに名を馳せた言わば強豪校でしたが、卒業後は怒涛の快進撃を見せ、全国すべての高校の目標として打倒!と言われていた時代もあったようです。

それでも何が原因かは不明ですが、全国では以前ほどの結果を出すことができなくなり、早10年が経過していたのですね。指導者は当時から変わっていません。ただ、どんなに強豪校でも毎年勝ち続けるということは至難の業です。ましてや高校生は毎年、毎年選手が入れ替わるのが常ですからその難しさは計り知れません。

そんな中、国体5連覇というのは当時(今は?)のどの競技においても成しえていない記録ということですからその偉業は今となっても輝かしい成績として残っています。私が在校していたのはもう20数年前のことですから当時の練習内容と今がどう違うかは正直分かりません。

ただ、勝つための集団形成というものはここで植え付けられたのは確かです。これは個人というよりチームとしてやるべきことを課されるため、楽をすることができませんでした。まわりもやっているから自分もやらなければいけない、そんな思いで1年生のうちからなんとか踏ん張り、先輩の背中を見ながら成長していきます。

上級生になると今度は後輩には負けてられないというプレッシャーやプライドを背負いながら更なる追い込みをかけるのです。当時、全国3冠を達成した1学年上の代から私たちの代に替わり、キャプテンという重圧を背負いました。決して自分は優れた選手ではなかったので、努力することだけは人一倍頑張ってきたつもりです。

それは、考える暇なく、とにかくひたすらやらされるボートであり、やらなければ生き残れない、勝ち残れないという責務、使命というかたちで圧し掛かりました。ある意味、部活動としての自分の基礎はここで培ったのかもしれません。その経験が生きたのかは定かではありませんが、大学で競技を続けたときもまわりがどうかなど関係なく、自分が決めたことはただひたすら実践する、そこに繋がったのかと思います。

不思議とこれだけの強豪校なので、さぞ有名な選手を輩出しているかと思われがちですが、オリンピックや日本代表に上り詰めた選手は実は聞きません(私が知らないだけでいるのかもしれませんが)。それくらい軍隊方式のやらされる環境というのは、後に自主性を奪い、環境によっては適応できず、それ以上の成長すら妨げてしまうのかもしれません。

この20数年の中で多くの卒業生が大学や社会人で競技を続けたことでしょう。それでも指導者として今尚、競技に携わる者が聞かないのは不思議なことです。これは決して自分が秀でていたと言う自慢のような話しでもなんでもなく、単なる過ごした環境の違いか、自分が異質な人間だったのか、当然知る由もありません。

ただ一つ違うものがあるとすれば、私は自らの意志で進路を選び、確約されていない厳しい道をあえて選びました。これは環境もそうですが、高校時代の自分とは決別し、新たなフィールドで今までにない経験をしたいという一心で決断をしました。

そうは思いながらも、もちろん入学してからのギャップ、戸惑いで一度はこの世界から逃げ出しました。自分が競技を続けていることの意味すら見失うほどに、この環境を選択したことが正しかったのかとすら疑問に思い、すべてを投げ出しました。

ですが、離れてみて思うことはいくつもありました。そして人との出会い、恵まれない環境の中でも何を学び、得て、自分がどう行動していくか、もう一度、基本に立ち返り、見つめ直すことで初心を取り戻したのです。

そこからは不思議と迷いはありませんでした。今でもその当時のことがあるからこそ続けられているのかもしれません。何より、私はこの大学を、そしてボートを続けるという選択をしたことを誇りに思っています。そしてこの部への恩返しで自身に何ができるかをいつも考えています。

今はまた自分の夢や目標ではなく、学生らがそれぞれの目標を持って活動を続けてくれています。こうした選手らを支え、応援できる日々を幸せにすら感じます。この手で守り抜くと決めたボート部をこれからも見届けていくつもりです。

本当に書こうと思っていた内容から随分と話が逸れてしまいました笑。続編は近日中に時間を見つけて投稿したいと思います。

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