あの人がいたから

先週、ある方の訃報が飛び込んできました。今の自分があるのは、周りの方の支えがあってこそといつも感謝をしなが生きていますが、その影響を与えてくれるきっかけになったのが、その方であったと思っています。偉大な方なので、ここで私自身が語ることも恐れ多いですが、私なんかがお傍で共に過ごさせていただいた時間は今思ってもかけがえなのないものでした。目をかけていただけたことに言葉で言い表せないほど感謝もしています。今はただただ安らかにお眠りください。

私的なことが前置きとなりましたが、年の瀬が近づいてきます。日々いろいろなことがあるのが人生です。思い返すとあの時もっとこうしていたらというのが、誰しもあると思いますが、後悔しないために精一杯。それが自分のモットーでもあり、走り続けています。ただ、頑張り過ぎて疲れることはありませんが、どういうわけか気持ちが付いてこない時がたまにあります。

その原因を探したところで、解決するわけでもなく、時の流れに逆らわず、その時間や、そんな自分すら受け入れる、それしか方法もないのだと思い、今も過ごしています。幸いにしてまもなく今年が終わり、また新たな年を迎えるという時期なので、希望を胸にまた一歩ずつ歩いていけばいいのだと。

皆さんは日々どのようにお過ごしされていますでしょうか。仕事、家庭、それ以外のコミュニティはおありでしょうか。私は監督に就任してからは早10年以上が経過しますが、部員が入部して本格的に監督業を務めたという意味では、ようやく丸10年の10回目のシーズンを終えることになりました。監督業で収入があるわけでもなく、基本的にボランティアで行っているものの、それ以上の体験や価値を得られること、これは誰しもが望んでも叶わないことなので、常々ありがたいものだと思って過ごしています。

振り返ってみるとこの10年間の本格的なスタートとなったのは、まぎれもなく初代主将の玉虫がいたからでしょう。彼は先日、引退以来、初めて戸田に足を運んでくれたわけですが、引退後も実は若手OBの会合を企画してくれたり、こうした縁は卒業以降もずっと続いてきました。こうして後輩、若手らを引っ張る姿勢は当時から変わっていないなと思いながら、あの頃を思い出します。

私の監督時代でもっとも人数が多かった時は、マネージャーを含めると最大で20名近くの部員がいたのではないでしょうか。その頃は彼がリーダーシップを発揮してくれ、少しずつながら部としての様相を呈している頃でしたが、成果と言う意味ではOB方からすると物足りなさもあったかもしれません。それでも部員ゼロからのスタートがどれだけ大変か、考えてみれば容易に想像はつくと思いますが。

当時、駆け出しの頃は、体験参加を重ねながらポツポツと入部意向があるものの、部としての正式な練習、つまり平日含めた定期練習を開始することには躊躇いもあり、そのことにも本当にこのままでいいのかと自問自答はありました。そして一歩踏み込むにはこちらの覚悟も当然必要でした。でもその覚悟を受け入れくれ、きちんとした活動を行えるようになったのも、その最初の人物が彼だったからなのだと今振り返っても思うのです。

以降、部として進めていく上で、自身の考えを伝え、意見を求め、ごくごく当たり前に今後の会話をしていける関係を互いに育み、選手(学生)を尊重するという今の考えを彼から学んだと言っても過言ではありません。こうした関係作りがあったからこそボート部として新たなスタート切れたのだとすら思っています。

私自身、監督に就任した時には一度置いたオールを再び握るのには勇気がいりました。ですが、再びレースに出るという気持ちには、何の抵抗もありませんでした。それは玉虫であれば、玉虫とであればまた一緒に出てみたいなという気持ちがあったからだと思います。宮ケ瀬の小さな小さなレースで記録にも残らない大会ですが、二人で出場し、久々に味わったあのレースは、それこそ感慨深いものがあったのですから。

そして、そんな彼との再会を機に、また少しずつながら今のボート部の活動を多くのOB,OG、そして関係者へ知ってもらおうと今準備を進めています。嬉しいことに最近は遠くから活動を応援してくれる方々からの寄付の連絡もいただいています。これはひとえに私が昔から信頼している石原さんの存在あってのことなのですが、甘えてばかりではなく、自らも発信していかなければならないのだと思います。近々、皆さまにも情報発信とちょっとした贈り物をさせていただくつもりですので楽しみにしておいてください。

さて、今回は活動近況というより、タイトルの通り、「あの人がいたから」について少し触れさせていただきました。もちろん私自身もこの監督業を通じて、誰かにとってのそういう存在になればと微力ながらこれからも精一杯、今を生きようと思っています。晴れない気持ちもきっとこうして過ごしていくことで浄化され、またいつもの自分に戻ると信じて・・・。

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