小さな巨人とその教え

コロナの感染拡大一色のニュースだったのが、今週は全国各地で相次ぐ大雨浸水による災害に変わりました。8月にこうした大雨が降るのも少し違和感もありますが、 温暖化による気候変動の影響なのでしょうか。戸田の地でも今週は急な大雨に加え、落雷にも見舞われ、練習の中断を余儀なくされたようです。

当部は今週火曜からついに合宿インし、また週3回のハードエルゴも再開しました。4月以降は定期的なエルゴも、測定からも遠ざかっていたこと、また試験期間中のブランクもあって学生らにとっても過酷なメニューになっているようです。

とは言え、これらのメニューの目的は一ヶ月である程度の成長曲線を描き、体力向上による記録更新と、レースに向けたコンディションを高めていくことですから計画した4クールでどこまで変化が生まれるか、しかと見届けていこうと思います。

そして今年は何よりマネージャーの加入が大きく、エルゴスコアや乗艇のビデオ撮りまで行ってくれる体制を構築してくれているわけですから、こうした感謝を忘れてはいけないですね。今日は私自身も仕事が終わり次第、コースに足を運び久々に陸から学生らの乗艇を見ることができたのもマネージャーのおかげですから、共に選手らを盛り上げていきたいと思っています。

話は変わりますが、先日、久々に今治のI先生から連絡をいただきました。用件は、ちょっとしたお願い事でしたが、そこはもちろんご希望に合わせて対応させていただいたわけですが、こうして連絡をいただけるのも嬉しいものでした。

先生との出会いは私がまだ高校生だった頃です。もちろんこの当時の自分を覚えているはずもないでしょうが、この時は奇遇なことに今治を遠征で訪れた際にたまたま映画の撮影を行なっており、先生の取計でその映画に急遽出演させていただくことになりました。

映画のタイトルは愛媛のボート部を舞台にした「がんばっていきまっしょい」というボートに縁のある人であれば聞いたことがあるかもしれません。実は私自身、この映画を結局一度も見ていないので、内容すら知らないのですが、場面はレースのシーンで、相手役の高校生ということで漕いでいる映像が映画にもバッチリ写っています。(エンドロールにもちゃんと名前を出してもらっています)

でも実はこの時は先生と直接お話しする機会もほとんどなく、改めて再会したのは数年前のことでした。そのきっかけは昨春卒業した桜田が本学への入学が決まった際に今治を訪問し、改めて監督として挨拶をさせていただき、その頃に実は高校時代に、という思い出話をすることになったわけです。

高校ボート界の第一人者と言っても過言ではない先生ですが、やはり教え子の育成にも目を見張るものがありました。それは桜田という存在を通じて改めて知ることになりました。彼は小柄な身体がハンデでもありましたが、身体能力の高さ、そしてボートの技術、また人一倍の練習量でそれらを克服していた素晴らしい選手でした。

残念ながら大学生活で高校時代ほどの戦績を残せなかったのは私の指導不足だと反省は尽きませんが、それでも彼から学んだことは多くあります。一見、お調子者の振る舞いをするものの、礼儀正しく、特に挨拶をよくする男でした。これはきっと先生の教えもあってのことなのでしょう。

青学の学生はよく挨拶をしてくれる、そう聞くと桜田のことが真っ先に頭に浮かぶくらいでした。結果を残すばかりがすべてではなく、人に影響を与えられる彼はまさに小さな巨人でもありました。最近はあまり連絡もなく、忙しい日々を送っているようですが、いつの日かボート部への関わりをとひそかに期待しています。

また、それ以来、挨拶の重要さを学生らに説き、今でもそれは欠かさず口にしています。挨拶をすることで損をすることはありません。青学らしさは好青年で、かつ、紳士であり続けることでもあります。練習だけでなく、一人の人間として、社会に出ても必要なことをこの場所で学んでもらい、一段と成長していってほしいものですね。

昔話に思いを馳せながら書きたいことはいくつかありますが、それはまたの機会にして、今夜は明日の仕事に備えて眠りにつきたいと思います。(中途半端な投稿ですみません)

コメント

タイトルとURLをコピーしました