2021年を漕ぎ納めながら振り返る

2021年の乗艇練習を無事に終えることができました。

今年も一年間、安全に事故なく終えられたことは指導者としては当然の責務であり、同時に胸を撫で下ろしたところです。

日々の練習では忘れがちですが、ボート競技は常に危険と隣り合わせです。

私自身も今年はレースに向けた練習で夢中になってしまい、ちょっとした衝突で、大きな事故を招きかけるといったヒヤリハットも経験しました。

ついつい練習に集中し過ぎて、こうした安全面への配慮や意識は薄れがちですが、いつの日も忘れてはいけないのだと、1年の終わりに改めて思うものです。

また今日はあくまで漕ぎ納めであり、実質の練習納めとしては、まだ来週もフィジカルトレーニングを残しています。

こちらは基本的にはオフ期間でも休みとしない週1回の定例であるためトレーニングに終わり、トレーニングに始まるというのもますます定着してきました。

このフィジカルトレーニングについてもいつかブログで触れたいとは思いますが、1年生はこれでようやく半年ほどが経過し、体つきも見違えるようになってきています。

但し、このメニューで新入生を迎え入れた場合にほとんどが辞めてしまうのでは?という不安を覚えるほどの強度になりつつもありますが、それはその時にまた考えることにしようと思います。

今日も前置きが長くなりました。

今年の漕ぎ納めは3人の部員と共に終えました。

以前はあまり漕ぎ納めというものを重視するわけでもなく、納会というかたちでOB方と共に終えることもありましたが、コロナ禍にあってはこのかたちがベストなのだと思います。

こうした機会に改めて、この1年を振り返ってみると部にとっても(もちろん私自身にとっても)たいへん充実した1年でした。

新年の挨拶の際に「石の理論」を書きました。

部員も1名しかおらず、誰に向けてのメッセージのつもりなのかと疑問に思われた方も多かったかもしれません。

それでも私が数年の監督業で行き着いた答えでもあり、これを実践していくことで、新たな部の在り方を確立したい、そんな思いを持ち合わせていたので、今まさにそれを実感できる学生らと過ごせていることにも幸せを感じます。

恐らく多くの方が1年を終える際に、今年も早かったものだと思うのではないでしょうか。

私自身も毎年のようにそう思い、歳を重ねてきました。

でも今年は早いと思うなかにも、一歩ずつ、着実にという学生らの成長を目の当たりにし、こうした軌跡を振り返ればまさに充実という言葉がピッタリです。

先日触れた年内のエルゴ測定をクリスマスイブに実施しました。

9月に行ったときから三ヶ月が経過し、新人戦を経て、心身ともに成長し、満を辞した状態で測定を迎えました。

結果は鏑木、鈴木とも(吉澤は怪我のため延期)記録を更新しました。

これはある意味、想定通りでしたが、目標とするエルゴ基準のクリアはなりませんでした。期待が大きかったため一言で言えば残念ですが、これにはあまり悲観していません。

これまでも述べてきたように成長著しい今のポテンシャルであれば基準をクリアすることはそう難しいことではなく、言うならば記録をクリアするための練習が不足していたことや、2000m測定の経験不足が結果に表れたような気もしています。

よって次回測定はまた春ごろを予定していますが、そこに向けた取り組みも再検討が必要ということを考え直す機会にもなりました。

それでも部員らの頑張りは練習を見ていても、共に乗っていても、ひたむきさと向上心を感じています。

ボート競技だけでなく、スポーツ全般として1日1日の練習の積み重ねが本当に大切です。

大学スポーツであれば競技生活も限定されるので、より少ない時間で効率的に成長できるかが、勝負の行方を大きく左右します。

普段から当たり前のようにしっかりとした練習を積み重ね、その成果を試合できっちり出す、この当たり前さこそが強さへの秘訣でもあるのです。

そしてレースに挑む時点では、それまでの取り組み方によって、大方の結果は決まっていることでしょう。

だからこそ私はこの石の理論にある一日一日の積み重ねを重要だと唱えます。

これは人生においても同じです。社会に出て、与えられた仕事をこなす、役割をこなす、生活していくこと、そのすべてにおいて一つ一つが意味を持ちます。

こうした積み重ねで日々を過ごしていくことを今まさに学んでおいてほしい、それが私が指導する中で、皆へ求めていることでもあるのです。

勝者だけでなく、最後に笑って次なるステージへ踏み出すためにも今の自分に自信を持って行動してもらいたい、そうすればどんな困難だって乗り越えられるはずです。

この監督業は報酬があるわけでもなく、何か権限を与えられているわけでもありません。

でもこの場所を預かることで、多くの人と繋がり、自分自身だけでなく、まわりも成長し、それを喜びに変えることができます。

年の暮れに差し掛かり、改めてこれまでの繋がりに感謝し、嬉しく思うことが多々あります。喜びや感謝という気持ちは生きていることの素晴らしさを実感させてくれます。

子供の頃にどんな大人になりたいか、そう聞かれても答えなんて見つかりませんでした。でも今は自信を持って言えます。人を通じて、喜びや感動を分かち合える、そんな大人でありたいと。

そんな風に思えるこの1年を振り返りながら、まだ見ぬ未来へこれからも止まることなく進んでいこうと思います。

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