強さの秘訣には理由がある

日常生活として今週は仕事にも復帰し、なんとか長い一週間を終えました。味覚と嗅覚の異常も徐々に消えつつはあるものの、耳の詰まった感じが取れずに受診したところ難聴傾向にあるということでした。そして昨日からはアルコール、コーヒー、お茶とこれまで常飲していた飲み物を一切断ち、一日2リットル以上の水を飲むことを強いられています。隔離という制限、味覚異常から食の楽しみを奪われ、今度は好きな飲料を断たれ、こうした制限はいつまで続くのやらと歯痒い日々を送っています。

そんな私の現状はさておき、今週は春合宿二週目で、自らもようやく関与できる状況にはなりましたので、全員にスピードコーチを使用したシングルでの乗艇に、メニューも指定しながら現状把握を重点的に行なってみました。これまでもエルゴメニューは数値としての記録管理や現状把握を定期的に行なっていましたが、これからは更に水上での艇速、タイムを含めた現状を選手のみならず、私自身も共有してもらうことで個々の成長を見ていくつもりです。まだ試行的な取り組みながらメニューの組み立てにもこれらを活かしながら、感覚だけではなく、具体的な中身を検証していければと思っています。

そして本日は、数週間ぶりに吉澤とダブルでの乗艇。今では全員が、5周(15キロ)という距離にも慣れてきており、これまでの指導にもない練習量を課し、それが当たり前に行えるだけの環境、雰囲気も備わってきています。とは言え、その分、自分自身もそこを妥協するわけにはいかないので休み明けのなまった老体に鞭を打って、踏ん張りながらなんとか漕ぎ切ることができました。

実は自身の現役当時や監督での指導時もあまり長い距離を課さない方針もありましたが、やはり距離を含めた練習の中身は嘘をつかないというのも肌で感じます。もちろん距離を決めるだけで、ただ漕ぎ続けるような中身のないやらされ練習は無用ですが、目的を持って水上で感覚を養うことは特に重要なのだと最近は改めて感じています。

話は少しそれますが、北京で開催される冬季オリンピックも残すところあと一日となりました。この冬季オリンピックは強豪国がそのままの力を発揮し、結果を出すことでも有名です。ニュースの受け売りにはなりますが、クロスカントリー競技で無類の強さを発揮するノルウェーはクロスカントリー自体が国民の生活の一部になっています。またスケート競技強豪国のオランダ然り、ソリ競技強豪国のドイツも然りです。日常の生活に欠かせないことが、そのままその国の競技の強さの秘訣となっていることは明白です。

そう考えるとボート競技も日本が世界の強豪国に勝てずにいることは必然と言えることなのかもしれません。日本という国は決して体格に恵まれているわけではなく、競技種目で言えば、どちらかと言うと技術や練習量で結果を出してきていることが多くあります。だからこそ体格がものを言う競技ではあまり結果が出せず(体重別なんかは除く)にいるような気がします。ボート競技も体格で劣り、そして何より生活文化として馴染まないこともこの国の現状に起因しているのではないでしょうか。

ボートの練習は起床して、当たり前のように決められたクルーで、決められた練習メニューを課されます。それが当たり前にあって、結果を出すことに必要だとも思われていますが、もう少し生活の一部として競技、ボート、さらには道具などを取り込み、向き合うことが必要なのではないかとも感じました。練習は疲れること、追い込むことで成長につながるものだと刷り込みがありますが、もう少し生活の一部として使いこなして、自然に一体となれるような工夫をできないものか、なんてことを改めて考えながらの本日の乗艇でした。それをうまく伝えることができたかはわかりませんが、指導した吉澤に変化の兆しが見られたことは大きな収穫でもありました。明日もまた意味のある1日になるよう励んでいくつもりです。

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