達成の反対は未達ではなく挑戦しないこと

花粉飛ぶ季節の到来です。今年は例年より多くの花粉が飛ぶ、という毎年お決まりフレーズを先日、通院している耳鼻科でも耳にしました。今年はやはり暖冬の影響もあって恐らくそうなのでしょう。と言いながら私自身、花粉症ではないと思い込んで過ごした期間が長すぎて、もはや手の施しようがないほどです。幸い、この時期に限らず慢性的に症状があるため、早くから薬を飲み続けている効果もあってなんとか堪えている状況です。

花粉症の人にとっては悩みが尽きないような週末の暖かさと花粉の飛来。部員らに近頃はこんな気候でいいね、と語り掛けると普段(平日)はそうでもないとのことです。それでも自分が参加する週末にこの気候なのは見ている側にとってもありがたいものなのです。

またこの暖かさであれば多少運動をしても平気だろうと意気込んで、土曜日には朝から吉澤とダブルスカルに乗りました。ちょうど年明けに鈴木、淡路にシングル並走で教えていた際、吉澤は体調不良で欠席していましたので、教えるにもちょうどいい機会だったと思います。

最近、フィジカルトレーニングに参加していても彼らのこなす強度、回数に付いていけないことがしばしばです。以前、このトレーニングを始めた当時はむしろ部員らより自身の方ができている?なんて思い込みもあったものですが、今の部員らとはまったく逆の状態で、皆には頭が下がる思いです。

これには彼らの成長、そして自身の衰え、どちらもその理由にあるのでしょう。特に以前の私はランニングも乗艇もそれなりに行っていたので、それなりの体力を持ち合わせてはいましたが、やはり体の衰えは正直なものです。これを取り戻すとなると相当の努力と鍛錬が必要なことは身をもって体験もしています。一昨年、全日本社会人選手権に出場して2000mを漕いだなんて随分と過去の話しになってしまったんだなと改めて感じてもいます。

そんな自分が今、彼らと乗艇しても体力的に付いていけるはずもなく、出来ることと言えばマンツーマンでの指導により自らで考えてもらい、理解してもらうことなのだろうと、この日もコミュニケーションを中心に艇を動かすことについて意見交換をしながら指導をしました。

力の使い方、艇の動かし方、分かっているようで、今一つ考えの違いがある点を身をもって体験してもらおうと丁寧に意識しながら漕いでもらいます。特にポイントとしてレクチャーしたのは、キャッチポイントへの到達点前準備、上体セットによるリズムの取り方とリラックス方法、そしてレッグオンリーでの艇の動かし方、これらのサイクルを一つ一つ考えて漕いでいけるように言わば頭の体操にならないかというものでした。

外から見ていても感じる点はどうも強く漕ごうとする意識、漕ぐという動作についての考え方そのものに、体の動かし方、使い方ばかりに執着しているのではないかということです。道具を使う競技であるがゆえにもう少し道具を使いこなして艇を進めることを再認識してもらう必要があると一緒に乗ってみて、そう強く感じました。もちろん力があれば自然とそれなりに艇は動くものですが、その力さえ発揮できないのもまたボートの難しさです。道具を使ってオール、そして艇に力を伝える難しさ、考えすぎても始まりませんが、やはり考えることからなのでしょう。

この日、どれだけのことが伝えられたかは分かりませんが、こうして頭を整理していけるよう、自らも体が動く限りは続けていきたいと思います。その代償として少しばかり腰痛を発症しましたが、これもすべては自身の衰えが原因なのですから、暖かくなってきたこの時期だからこそまた取り戻していきたいと思っています。

また迎えた翌日。この日は日曜恒例となったエルゴ測定が予定されていました。今回で3回目。いよいよ部員らもこの練習リズムに慣れてきたせいか憂鬱な表情でアップをしている姿が特に目につきました。そしていざ測定を開始してみるものの、やはり目標ラップの維持も、距離もそこまで伸びません。その後に待ち構えているAメニューと題した1分漕に突入してもその苦しさから同じように伸び悩む姿を目にします。

これには昨年の春や夏に見た光景に近いものを感じずにはいられませんでした。そう、メニューをこなすことだけがノルマになり、目的(今春で言えば目標達成に近づける)を見失い、本数をこなす、やり切る、どちらかと言うとその鍛錬だけになっている状況が実際には見て取れたのです。あくまで私なりに見えただけかもしれません。

ですが、それは測定前のアップからも行動に表れており、決してレースや2000m測定をやる前のそれではなかったのですから、そう見えたのも仕方ありません。今春、毎週日曜日に決まって測定を行うことの目的は2000mのリズム、ラップに自身の最も記録が出る方法を知ることにあります。よって失敗することも大いに認めています。これはある意味、気持ち的には当然楽になり、心の余裕を生むものだと思っています。

またそれだけでなく、そこに至るまでの過程、つまりアップにしてもどれだけやれば体が動くかを知ることも同時に経験することができるのですが、測定前のナーバスな表情がすべてを物語っていたのを見るときっと彼らにとっては前述した通り、目的をはき違えていたのではないでしょうか。そうなることももちろん当事者になれば分かることなのですが。

また、ちょうど先週は私が所用でこの測定にも参加ができずにいましたが、それでも淡路からは遂に7分切りを果たしたと嬉しい報せもありました。彼は今まさに伸び盛りであり、まだ怖いもの知らずなのかもしれません。そんな彼の姿こそ目標に向かうための姿勢であり、見習うべきところなのだなとも感じずにはいられませんでした。でも記録を狙う、勝負するというのは何事も気持ちあってのものなのです。

お花見レガッタに向けては7クールの練習日程です。つまり測定チャンスも計7回。既に3回を終え、本人たちは現状をどう捉えているのでしょうか。聞いた限りでは最後に更新できればという思いも持っているようですが、やはり毎回ベストを狙いに行く姿勢でなければ目標には到達できないのではないか、私自身は見ていてそう感じました。

もちろん彼らなりに考えての行動と信じて、多くを語ることはしませんが、決めたことには常に全力で
、大げさに言うならまさに命懸けです。それくらいの努力と覚悟がなければ人は強くなれない、成功など決して成し遂げられない。それが私なりの考えです。まだ折り返し地点にも差し掛かっていませんが、ここらで軌道修正が
必要なのかもしれません。

幸い今週は祝日もあり、また練習に参加できるので、自分にできるアドバイスやゲキと飛ばしにいこうと思います。

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