戸田の地が帰る場所となるために

8月を迎え、ついに当部も夏の集中練習を開始いたしました。

初日となった1日(火曜)は仕事も休みにし、朝から練習に参加。

この日は思ったほどの暑さにもならず、比較的涼しかったため、私もシングルスカルに乗り、部員らと共に水上へ出て行きました。

監督自らシングルスカルに乗って指導したり、ビデオを撮影する、恐らくこんな光景はこれまたあまりないことでしょう。

でもやはり陸からと水上では見える景色がまったく異なります。

前半は1年生のダブルスカルに並走しましたが、ようやく二人漕ぎが少しずつ板についてきたものの進路もままならず、バランスを崩しては止まっての繰り返し。

これを続けていくことが今は必要と思いながらも、彼らの後ろに付けてよくよく見てみると、フィニッシュポイントとキャッチ前にかけての不安定さでバランスを崩しているのがはっきりしました。

ですので、フィニッシュ位置でハンドルが開く傾向があることでバランスを崩していること、またハンドル操作時に力が伝わりすぎて、重心が艇の真ん中に置かれていないことを指摘すると、大きく改善を見せました。

練習後のミーティングでもその指摘があったことで大きく改善したと上野、飯尾ともに口にしていたので、少しは指導の甲斐があったというものです。

何より、こうした気づきは同じ水上にいるからこそ発見できることで、同じように水上からスマートフォンで上級生がすれ違う際に撮影できることなど、自らが水上に出ていくことで今、出来ることを実践しています。

水上にいる他のクルーから見れば単なる趣味で乗る中年男性と思われるかもしれませんが、これこそが私ならではの指導方法なのですから自信をもってこれからも続けていくつもりです。

それでも時折、自身の乗艇感覚を養うため、また体力向上にと思い、それなりの距離を漕ごうとするもののあまり長く続かないという現実を突きつけられます。

ランニングも再開し、多少なりとも体力を戻しつつあっても、ボートという競技は漕ぐことにもそれほど体力が必要で、全身の筋肉を使います。

なにより漕ぐ動作が染み付いていなければ疲労、負担をもろに感じるわけですから過酷な競技だというのは本当に感じるところでもあるのです。

さて、これまでの投稿でも特に具体的に触れることなく今に至りますが、以前にも報告の通り、当部には上野、飯尾という2名の男子漕手が入部しています。(もう1名女子のTAも入部してくれています)

これまでも週末の練習を中心に参加していましたが、試験期間を終え、ようやくこの夏より本格的に練習に参加しています。

そして、それは単に当部の練習に参加するのではなく、今年も他大学混成クルーでのオッ盾レガッタ出漕を目指して合同合宿を開始したのです。

思い起こせば昨年の淡路にも「可愛い子には旅をさせろ」と言わんばかりに入部して間もない頃、一人で他大学との合同エイト合宿に参加させました。

1年生のうちからインカレ出漕は現実的に厳しい以上、夏の一つの目標としてレースに向かうこと、またそれが当部のみならず他大学と合同で練習できることのメリットは多くあります。

今年の混成クルーは1年生の寄せ集めではなく、インカレに出場しない上級生もクルーに混じっていると聞きます。

こうした交流、またエイトという種目に乗ることでのさまざまな発見は、きっと二人にとっても良い効果を生むことでしょう。

ましてや合宿所に宿泊させてもらい、寝食をともにすることは今の当部にはできない貴重な体験となるわけですから、ひと回りもふた回りも大きく成長して、秋の新人戦を目指してほしいと思います。

さて、最後になりましたが、寄付の状況についても少し触れさせていただきます。

先日の艇購入に伴う寄付募集ということでTAより依頼状、そして近況報告となる広報誌(緑水)を発送してくれました。

届いてすぐに多くの方より反響があり、寄付したとのご連絡もいただいております。

こうした呼びかけにすぐに応えてくれる方々がいることを大変嬉しく思い、また感謝を結果というかたちで表さねばと身が引き締まる思いすらしました。

目標30万円と艇の代金には程遠い金額設定にしたのは、近年寄付が減少傾向にあったため、あまり多くを望めないだろうという思いがありました。

それでも8月に入ってすぐに目標金額を超えるだけの寄付の声が実際にありました。

コロナ禍や物価高など、多くの方の日常の暮らしにも大きな影響を与えていることでしょう。ですから、安易に寄付募集というのも本当は心苦しい限りでした。

それでも今の学生らの頑張りを見てほしい、そんな思いから寄付依頼に踏み切り、結果、こうした賛同を得られたことにも大変嬉しく思っています。

ただ御礼を述べるだけでなく、我々は我々の努力で結果を出して、初めて礼を尽くすことができるのだと思います。

中には遠方で、今のボート部の現況を目にすることもできないながらも有難いことに寄付をいただいています。

そこには私が現役時代にOB、OGとして応援に駆けつけてくれた人など、名前を見るだけで懐かしくも嬉しくもなる人もいました。

多くを語らずとも、こうした思いに応えてくれる方がいること、それもこの部の大きな魅力のひとつだと改めて感じます。

それこそ昔はインカレとなれば声をかけずとも自然とOB,OGの方が戸田に足を運んでくれるそんな当たり前の光景がありました。

部員が減り、衰退し、活動もままならない時代が続いたことで、いつしかそんな当たり前が薄れ、気づけば我々だけの戦いになってしまっています。

ですが、このボート部にまた多くの方が母校の応援にと自然に集えることができるためにも目指す先はインカレ最終日(日曜日)なのでしょう。

ボート部監督を引き受けて以来、守り続けようと思ったのは、自らが育てた部員のみならず、このボート部を愛するすべての人たちが、懐かしい思い出を引っ提げて、この戸田の地に再び集まれること、帰る場所として築き上げることでした。

単に部員を増やして活動することだけでなく、こうした大いなる使命をもって再生させることこそが私に望まれたことだと自負してもいます。

自身が現役時代の最後、インカレの決勝という舞台に立てた時、この部にはこれほどまでのOBが集まることがあるのだなと感激し、多くの力をもらいました。

インカレは選手としての結果だけでなく、部にとって本当に意味のある大会なのです。

そして、、、少しずつですが、その目標にも近づいてきているのが今のボート部です。

目標は決して低いものではありません。高い壁となって立ちはだかります。

それでも我々はそれを乗り越えることを求められているのですから、残り一ヶ月間、部員らには死に物狂いで頑張ってもらうつもりと覚悟を決めています。

そして私は私で自らの使命を背負い、今まで以上に指導に励んでいくつもりです。

そしてその目標を乗り越えたとき、戸田の地に多くの人が帰ってきたとき、「おかえりなさい」と皆さんを出迎えたいと思っています。

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