目指すべき世界とその景色

昨日、第64回全日本新人選手権が無事に終わりました。今年の秋は例年に比べて雨が少ない気もしますが、先日のスポーツの日に続いて、昨日も冷たい雨が降りしきる中、最終日が行われました。

前回このブログで報告したようにこの大会へは当部からは淡路一人が他大学との混成エイトで出漕しましたが、結果から言えば決勝進出、そして見事に3位入賞を果たしました。

いつもであれば小艇中心となることが多い当部ですが、エイトというのもあってまったく異なるレース時間に少し違和感を覚えつつも、私自身は予選、敗者復活戦の二日間は現地に行くことなく、部員らの報告から戦況を見守りました。

昨日は期待と不安が入り混じる中、現地を訪問し、準決勝、そして決勝といつもとはまた違う緊張感をもってレースを見守りました。

もちろん狙っていたのは優勝です。その結果、3位入賞を果たし、自身にとっても初のメダル獲得や部にとっても、それこそ私以来の全日本級のメダルを手にしたのですから、大いに誉めてやりたいところです。

混成と言っても淡路一人だけが加わるメンバー構成なので、主力はすべて中央大学の錚々たるメンバーです。淡路自身も競技を開始してまだ1年そこそこのキャリアでしたから、さすがに付いていくのが精一杯だったとも思います。

それでもこのお誘いを受けて、チャレンジすることを選択し、なんとかここに漕ぎつけたことができたからこその勲章なのだと思います。

そして中央大学の選手、スタッフの方々には感謝の気持ちしかありません。

こうした機会をいただけたことはもとより、温かく迎え入れていただけたことをレース後の表彰式での姿を目の当たりにし、より感じました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

思い起こせばちょうど1年前。淡路の当部でのデビュー戦はこの大会でのシングルスカルでの挑戦でした。

シングルスカルに乗り始めて一か月ほどで出漕をし、結果は見事なまでの惨敗でした。

それでもここに出漕することの意味は1年後の自身の成長を明らかにすること、だからこそ厳しい道をあえて選び、出漕をしました。

ですから、このお誘いを受けてからも本人はすぐに二つ返事することなく、迷いを持っていたのでしょう。

もちろん青山学院大学ボート部として出漕すること、その看板を背負うことも今の彼には使命としてあったのかもしれません。

ですが、私と結城さんからの後押しもあってか今回この決断をし、結果、見事期待に応えてくれたので、部としても非常に満足しているところです。

昨日のレース後の本人のコメントから決勝レースで横に並ぶ強豪校たちを見て、その舞台にいることを実感しつつも、そこで見た景色、光景が印象的だったと口にしていました。

頂上決戦とはまさにそうなのでしょう。

競技を続けていてもそこにたどり着けるのはほんの一握りです。ましてや大学から競技をはじめた者であれば尚更であり、優勝を狙える戦いに挑んだわけですから本当に貴重な体験ができたのだと思います。

結果、前年覇者の早稲田大学には3度の戦いを挑み最後まで逆転することはできませんでした。

攻めた結果、予選で圧倒した日本大学にも最後は力負け、悔しい3位に終わったものの全日本級の大会でオオトリとなるエイト種目で、まして僅差での敗戦ですから、その場に応援に来ていた当部の関係者には大いに感動と興奮を与えてくれました。

最後は3位に終わるというところがまた当部、いえ、私自身の呪縛がまだ続くのかと一人苦笑いしたものですが、夢は日本一を獲ることですからこの物語はまだまだ続いていくのでしょう。

余談ですが、私自身、学生時代、また社会人時代を通じて全日本級の大会ではメダルを3つ獲得しましたが、いずれも3位の銅メダルでした笑

ですから今回こそ、それ以上の色のメダルをと期待したのですが、それが叶わなかったわけですからこれから正真正銘、青山学院大学ボート部としてやはりそこを目指すしかないのです。

レース後にも皆には今度は自分たちの番であり、そこを目指してまた来季に向けて頑張ろうと伝えました。

これまでからすれば部員らも私にとってもまったく縁も想像もなかった世界かもしれません。それでも同じ部員がこうして手にしたことでより現実味が増してきたのは間違いありません。

もちろんそのためにはそれだけの覚悟と努力も必要です。

ですが、やはり目指すべきはこの世界であり、この景色なんだとレース後の静まり返ったコース、そして雨上がりの綺麗な夕日を見て改めて誓ったのです。

他にも書き綴りたいことはありますが、まずはこの3日間の戦いを終えて今の思いを気持ちが新しいうちに投稿させていただきました。

これにて今季は終了となります。1週間のオフを経て、来季に向けていよいよ本格的に始動してまいります。

最後になりますが、今季も多くのご声援、またご支援を賜り、無事に終えることができました。望まれる結果、期待にはまだまだ及ばないかもしれませんが、こうして一歩一歩部員らと共に歩みながら成長させていただいていることに日々感謝しております。

今後、更なる高みを目指し、昨年よりは今年、今年よりは来年、また一歩、着実に成長と進化を遂げて突き進んでまいります。

引き続き今後とも宜しくお願い致します。

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